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 今まで東北地方を訪れる外国人旅行者は少なく、インバウンドの恩恵をあまり受けていなかった。しかし、この春、ニューヨークタイムズ紙が岩手県盛岡市を取り上げてから、盛岡を訪れる外国人、日本人が増えています。私も大好きな岩手県、盛岡市の魅力が広まってうれしく思います。町の活性化のヒントがあるかもしれません(上の写真は岩手県HPより)。

下の文章は、岩手県HPのものです。https://www.pref.iwate.jp/sangyoukoyou/kankou/1059946/1061603.html


 (岩手県HPより)2023年1月12日にアメリカのThe New York Times(ニューヨーク・タイムズ)が「52 Places to Go in 2023 (2023年に行くべき52か所)」を発表し、イギリスの首都ロンドンに続く2番目に盛岡市が紹介されました!

 今回の記事では、盛岡市を「歩いて回れる宝石的スポット」と高評価。東京から新幹線で数時間で行ける便利さ、大正時代に建てられた和洋折衷の建築美の建造物、盛岡城跡公園、「NAGASAWA COFFEE」「東家」「BOOKNERD」「開運橋のジョニー」などが紹介されています。

クレイグ・モドさんが、盛岡推薦の背景を綴ったニュースレター

クレイグ・モドさんが、盛岡を推薦した詳しい背景などを綴ったニュースレターを紹介します。(モドさんのご了承を得て、和訳を掲載しています。)

盛岡でのひととき

盛岡に行き記事を書いただけなのに、身に余る多幸感に包まれた。


 盛岡。なんてこった。

 この1か月は、僕にとって、予想だにしない月となった。高揚感に包まれ、ときには疲労感に襲われ、とはいえ、基本的にはエネルギーが沸いてくる刺激的な日々だった。

 何の話かはNYタイムズの記事を読んでもらえばと思うが、僕のニュースレターの読者の皆さんには、より詳しい裏話をお伝えしたい。(これと合わせて写真満載のサイトRidgelineに盛岡の人たちを取り上げているので、見てほしい。)

 タイムズの記事の冒頭はこんな感じだ。

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 NYタイムズ紙の旅行部門のデスクが「2023年に行くべき52か所」の候補地推薦の募集を開始すると発表したとき、僕の頭にはすぐさま日本の盛岡市が浮かんだ。

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 僕が初めて盛岡を訪れたのは、2021年の春、しかも午後の時間帯だけだった。

が、この盛岡市という街は、衝撃的だった。思いがけなく生き生きとした街で(「東北地方」から想起されるイメージからするとなおさら)、川や山々の自然が、散策にぴったりな街中の景色に美しく溶け込んでいる。おいしいスコーンやコーヒーもある。最高の街じゃないか。

盛岡市広報。盛岡市HPより

 その年の後半、僕は全国10か所の中規模の街の床屋さんと郵便局を歩いて回るプロジェクトを行ったのだが、盛岡は絶対に行くと決めていた。果たして僕は盛岡を再訪し3泊4日を過ごし、ますますここが気に入った。街が若い人たちの活気で溢れているのに感激した。40歳未満の人たちの店がとても多いのだ。誰と話してもみな親切で、よそから来た人を受入れる雰囲気に溢れている。さらに、ほんの数日の滞在にも関わらず、世代を超えて受け継がれている店を多く目にし、かなり驚いた。親子、祖父母と孫、さらにはひ孫の世代までが、一緒に店を経営している(18代続いているという工房もあった)。親世代から、奪い取らんばかりに店を継ぐ子ども世代もいる。

 そんなわけで、2022年10月に、タイムズの編集者が「行くべき52か所」の推薦依頼をしてきたとき、僕の心は決まっていた。盛岡。それ以外あり得ない。とはいえ、タイムズは何百人にも及ぶライターたちに同じ依頼をしている。仮に盛岡が52か所入りを果たしたとしても、まあ、リストの下の方に掲載がいいところかもしれない。僕の推薦文は当選しないだろうなと決め込んで、しばらくこのことは考えないでいた。

 そして1月、「2023年に行くべき52か所」が発表された。

 1番目に行くべきところは、ロンドンだった。

 そして2番目にはなんと、盛岡が。

 僕は編集デスクのステファン・ヒルナー氏に、このリストは順位なのか聞いてみた。「#2」はどういう意味か?掲載順はどのような考えで決まるのか?

 ステファン氏はこう回答をくれた。

「ナンバーは、厳密には、順位を意図したものではありません。ただし、リストの中で、どこを上位に表示するかについては、熟慮しています。」

 ステファン氏はメールでこう続ける。

「今年の52選は、なぜ旅をするのかを焦点にとりまとめています。ロンドンがトップに掲載されているのは、今年チャールズ国王の戴冠式があるなど、行くべき旅行先として時宜を得ているためです。ロンドンは、特に今年は、歴史を学ぶと共に歴史の一幕に自ら参加することができる街だからです。

 盛岡に関しては、以前紀伊半島の美しいエッセイを書いたクレイグ・モドさんによる推薦だったことが大きいです。盛岡を選んだ理由を一番分かりやすく答えるなら、モドさんのこの説明に尽きるでしょう。

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盛岡市、日本

 東京から新幹線ですぐ行ける、人混みなく歩いて回れる宝石的スポット。

 昨年10月まで、日本は主要国の中で最も厳しい渡航制限を継続していた。今、東京、京都、大阪といった人気観光地に旅行者が戻り始めている。

 しかし、岩手県の盛岡市は、たいていは通過され、見過ごされてきた。山々に囲まれた盛岡市は、日本の高速鉄道新幹線で東京から北へ数時間。市街地は街歩きにとても適している。正時代に建てられた西洋と東洋の建築美が融合した建造物、近代的なホテル、歴史を感じさせる旅館(伝統的な宿泊施設)、蛇行して流れる川などの素材にあふれる。城跡が公園となっているのも魅力のひとつだ。

 また、日本のコーヒーのサードウェーブのひとつである「NAGASAWA COFFEE」をはじめ、素晴らしいコーヒー店もある。「NAGASAWA COFFEE」では、オーナーの長澤一浩氏が自ら輸入・修理したドイツ製のビンテージ焙煎機「プロバット」を使用するほど豆にこだわる。東家は小さなお椀に盛られたわんこそばが食べ放題。「BOOKNERD」では日本の年代物のアートブックを販売。そして40年以上の歴史を持つジャズ喫茶ジョニー。車で西に1時間も行けば、田沢湖や世界有数の温泉が多数ある。

続きは、岩手県のHPで   
https://www.pref.iwate.jp/sangyoukoyou/kankou/1059946/1061603.html                  


盛岡市役所の関連記事です。
https://www.city.morioka.iwate.jp/kankou/kankou/kankouinfo/1041747/index.html

 盛岡市は、イベントやのぼり旗などはしない、という。地方創生事業以来、活性化は、イベントではなく、ふだんのまちづくりが主流になっています。今後、盛岡市の動向も活性化の参考になると思います。

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