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【仕事の経歴】出版営業時代vol.2

連日のピンポン営業

見知らぬ土地で、見知らぬ家を尋ね、疑いの眼差しを受けながら、小学生向けの教材を売り歩く。時には小学校で「変な訪問販売がきております」と、注意喚起されたとか、同僚が警察に通報されたとか、そんなネガティブな出来事が続いた

それでも、何件かは玄関に招き入れてもらい、数件は販売に至った。少し慣れてきたのと、体育会のノリがよかったのかもしれない。

契約間際になると、先輩が同行し、会社の契約課に電話を入れて支払いの手続きをする。クーリングオフという言葉を知ったのもその頃だった。

同僚と接点を持ってはならない

毎日、時間になると先輩の車に拾われて、15時くらいにランチする日々。会社に戻り、報告。「坊主です」。そう、売上0件という意味。

ようやく帰れるとなると、本厚木行きのバスに乗るのだけれど、会社が帰っていい人に順番に声をかける。みんなバラバラ。なぜかというと、同僚でつるむと、傷の舐め合いになり、退職に至るケースが多いから。

事実、1ヶ月で2割、2ヶ月で3割、と、どんどん人が辞めていった。隠れて同僚と集まって駅前で飲んだり、お互いの家に行っては希望の見えない将来を呪って明け方まで飲んだくれていた。もう限界だった。

タバコはLARK

当時は僕もタバコを吸っていた。マイルドセブン1mm。20年前はオフィス内でまだ喫煙ができた。モクモクする中で。

先輩たちが吸っているタバコは全部LARK。変だなと思っていると「都丸、お前も次長と同じタバコ吸え」と言われた。
伝説の営業マンだったらしく、毎日ベンツで出勤し、一人だけオフィス内でタバコを蒸し、部下をいつも罵倒していた。

いま思うと何もかもありえない環境だった。ある意味、洗脳の世界で、馴染めば生き残るし、馴染まなければ心が病んで退職する。僕は後者に成り下がっていた。でもこの経験が後々の仕事感を形成していったことは疑いようがない。

僕はこの後、静岡の沼津にいくことになる


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