見出し画像

彼の見た目の話

ある日、夫が幼獣を抱っこしながら呟いた。

「俺の遺伝子、幼獣の性別くらいにしか寄与してなくね…?俺の要素ないんだけど…」


そう、我が家の幼獣は9割の造形が母親である自分である。
自分の乳幼児時代のアルバムを見る限りほぼクローンかと思うレベルである。
なので、職場関係や知人に会うと必ず言われるのが「ママと同じ顔してるね…」である。「ママ似」ではなく「同じ顔」。恐るべし遺伝子。

義家族ですら夫に似ていると言わないレベルなのでクローン具合を推して知るべし。

そしてこの幼獣、凄まじく女顔である。
わりと生まれてすぐから、「女の子みたいな顔してるねぇ」と言われつづけている。乳児血管腫で入院中にも言われていた。
名前はしっかりと男児なので、病院等で名前を呼ばれたりすると大体二度見のち確認されてしまう。

さらに先日、夫は職場で先輩(2人の娘持ち)と子供の話をしていた際に、幼獣の写真を見せたところ、先輩より女の子の育児の話をされたそうで、「女の子はいいぞ!」と言われたらしく「いや、男なんス」と訂正したところ猫が宇宙を背負ったような表情をされたそうな。

「あの先輩があそこまで動揺するの、初めて見た…」と夫は語る。
その先輩はしばらく言葉に詰まり「嘘やろ?」「ちゃんとついてます」「いやいやいや…もっかい写真見せて」というやり取りを夫とした後、再び幼獣の写真を見た先輩は「男の子…?いやこれ女の子じゃ…」と信じられない様子だったという。

ちゃんとついてます。水鉄砲。

こんな感じで我が家の幼獣は傍から見ると女児にしか見えないらしいのだが、自分としては

「いつまで女子の顔なんだ…?」

という疑問が常に頭の片隅にある。
将来的には両家の遺伝的要素を考慮すると180cm超えのゴツいゴリラみたいになるであろうことは予想されるのだが、はたしてその頃にはまだ女顔なんだろうか。
月齢が上がるにつれてどんどん女顔になってきている。

もしかして女顔のゴリラになるのか…?

と、自分は思っている。