クレクレ

桜が満開となったので、娘の自転車の練習がてら公園のハシゴを連日していました。
先日、とある公園で自転車に乗って遊んでいた娘をベンチで見守っていたら、同じ年齢くらいの子供と何やら話をして、困った顔をして自転車を押してこちらに帰ってきた。後ろから先程話していた子供が。
「どしたの?」と聞くと、娘は困ったようにボソボソ。自分のキャパ以上のことや困ったことがあると言葉に詰まる。今回もそうで。
何があったの?

「あのね、この子が自転車はみんなのものだから貸せって言うの…」

ふぁーーーーーー?!(What?)

って素で言っちゃった。
「え?なに?どういうこと?」
人間、予想の斜め上の対応には一瞬思考が追いつかなくなる。
そこを隣にいた子供が
「もう!順番なんだから早く○○ちゃん(おそらく子供の名前)貸してよ!」
「どうして貸してくれないの?意地悪しないで!」

素で

「は?何で?なんで貸さなきゃならんの?」

その子からしたら目の前に立ちはだかるアウトレイジだったに違いないw
いや、これ、娘の。
なんで見ず知らずの、それも仲良く遊んでたわけでもない子供に貸さにゃならんのだw

お子さん、結構しつこく、とはいえ5分〜10分くらいだったかな。

「順番だから貸してよ!」
なんていってたけど、全部驚きすぎて

なんで?

で返してしまった。そうしたら、その子の連れというか、もともと集団で遊んでいたリーダーみたいな子供が何も言わずに引っ張っていった。
娘は終始オロオロ。
娘の頭を撫でて、
「心配しなくていいよ、これは娘ちゃんの自転車だからね」と言って笑顔で返した。
ようやく、ちょっと恐々だった顔がホッとした。それから30分程心配なのか時々こちらに顔を向けながら自転車に乗ってた。
「場所変える?」と聞いたのだけど、
「ここで練習する」って。

それでそろそろ晩御飯の準備しないと、と「もう帰るよー」と娘を呼び寄せた。
そこは広場と遊具のある公園が段差があって階段を使わないといけない。
上の広場にはキャンプ用のテーブルを広げて子供の保護者達が花見で賑やかに騒いでいた。階下の公園で遊ぶ姿を見つつお酒を飲んでる母親たち数人。階段に自転車を担いで上がり、安全な場所で自転車を下ろして娘を乗せたら、その中の1人の母親が大きな声で
「ちょっとくらい貸してくれたっていいのに、ケチねー」
と言った。ほかの母親はなんてこと言うんだ?って顔してる人も、ウンウンとうなづく人もいて、酔っ払ってる感じで。

ポカンとしていたのもあって、多分、私の外面もオブラートに包み忘れたんだと思う。

「馬鹿なの?」

と言ってしまった。言った後にイカン、アカン、と焦ってそのまま帰ってきたので後は知らん。数日はその公園が怖くて行けなかった。

夜、夫が仕事から帰ってきて、こんなことがあったよー、というと、夫も吹き出しつつ、
「今回は天然が勝利したな」と笑われ。とはいえ、気をつけろよー、と。

私は何故かここ2〜3年周期でクレクレ乞食に遭遇していて、それが信頼できる相手なら多少の融通はなんとかできるが、クレクレ乞食は全員が見ず知らずの人や挨拶程度の人や付き合いを避けたい人や文字通りの【合わない人】なのだ。
なんで貸さなきゃならんのだ!と後になってムカムカしてくるのだけど、

「これはネタ、変人ホイホイのネタだ」

と心の中で10回唱えるようにしたら心が落ち着くようになりました。

それにしても、子育てしてて相手は大人だと思っていたけれど、世間一般の中間というか中庸のモラルを彼ら彼女らには通用しないので、さっさとスルーするに限るな、と毎度思うのです。
そして次こそ華麗な切り返しをシミュレーションしていたにもかかわらず、いざとなったらほぼ役に立たない自分にも困ったものです。

#変人ホイホイ
#子育て

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