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PDCAのPに頼りすぎ

日本の悪しき文化なのか、それともそういう書籍や考えを書いたブログとかが多いからなのか、『PDCA』の『P』に労力と時間をかけすぎる会社、人が多過ぎませんか?

『PDCA』とは
P:Plan(企画/計画)
D:Do(実行)
C:Check(評価)
A:Action(改善)

予算計画や事業計画、企画書作成など『P』に時間をかけていることが多過ぎると感じませんか?

勿論、大企業で数千億円をかけるプロジェクトや中小企業で数千万円を投じるプロジェクトでは、この『P:企画/計画』に時間とコストをかけることも必要ですし、株式会社であれば株主に対して計画を発表することは重要です。

ですが、これは規模や状況に応じて変わるものであり、同じような考えを他にも適用するのは無駄なことが多いと感じています。

例えば、数千億円も利益を出す会社の数百万円の投資プロジェクトに対して予算計画などと同じように数ヶ月の間『P:企画/計画』をやっていたら時間の無駄です。
中小企業でも数十万円の投資に対して1ヶ月以上『P:企画/計画』をやっていてもあまり意味がない時間を投資することになり得ると感じます。

何も企画/計画の手を抜けと言っているわけではありません。

昨今、世の中の状況が刻一刻と変わり、20年、10年前、もっと言えば5年前と状況は全く異なっています。コロナを誰が予測できたでしょうか?
つまり状況は変わる中で、企画/計画に時間をかけていては、企画している間に状況は変わるかもしれないし、計画した通りに物事なんて進まないし、計画通り進まないという心づもりで企画/計画すべきなのです。

現状の調査やある程度の仮説に基づいた企画は必要でしょう。
ただそこに時間をかける必要はあまりないと考えています。

むしろ重要なのは『PDCA』のうち『DCA』の部分!

如何に早く良い形で『Do:実行』するか、そしてその結果を正確に早急に『Check(評価)』できるか、さらに評価に対して改善ポイントがあれば、それを如何に早く『Action(改善)』できるかです。

国内外の良いサービスはこの『DCA』に圧倒的に力を入れていると思います。
初期のリリース段階ではイケてないサービスでもその後ユーザーの声やユーザーの行動をしっかり取り入れて、良いものにしていくことで良いサービスになっていくと思うし、初期のリリース段階のサービスとは全く違うサービスになっている良いサービスだってあります。

さらに工場や建設現場、小売/飲食店舗の現場では常にこの『(P)DCA』が回っていて、改善が繰り返されています。
一方で企画部門は企画して現場に落とすだけ。そんなことも多いのではないでしょうか。

では『P:企画/計画』は何故必要か。実際には稟議を通すためとか色々あるかもしれないが、本質はそこではないと思います。

『P:企画/計画』が必要な理由は、正当に『Check:評価』する為です。

評価する上で、何らか指標が必要です。その指標を考えておくのが『P:企画/計画』なのです。

AIのプロジェクトも同じで、AIへ投資するためにプロジェクトの企画書を作ったり稟議書を書いたり、大手企業の皆さんは大変だと思います。
ですが、この企画で本当に重要なのは指標を作ることです。
費用対効果を考えた時にどれくらいの精度やコストまでならかけることができるか、どのような結果(精度)を目標値としてやっていくか、最低でもどれくらいの精度や業務削減ができれば良いのかなど、プロジェクトの成功/失敗を定義し評価のできる指標を用意しておくことが重要です。

AIの導入にはPoC(検証)を挟むことが大半なので、上記のような指標を元に検証(Do)して、評価(Check)するのです。

『P:企画/計画』は、プロジェクトを成功させる為の直接的なものなのではなく、あくまで『DCA』を支える為のものであるのです。
そう考えてみれば、相当大きなプロジェクトや株主(外部)への説明などの企画書でないのであれば、『P:企画/計画』に時間をかけることはあまり良くないのです。

企画ばかりしていて、企画の会議ばかりしていて、結局何も生み出していないなんてことありませんか?
企画/計画だけでは何の価値もありません。実行して、評価されて、価値を生み出して(生み出すように改善して)、初めて価値になります。

プロセスを評価しがちな日本企業の悪しき文化が日本を弱体化させている要因な気がします。

個人的には『PDCA』の配分はこのくらいかと。。。

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以前働いていた会社で「思考と行動を両輪で回せ」と言われ続けました。これって考えながら動くという意味と捉えていましたが、最近は高速に『PDCA』を回していると結果的に「実行(行動)しながら思考する」ってことになるんだなと痛感しています。

企画に時間かけ過ぎて状況が変わって実行やリリースを諦めて後悔するより、実行/リリースして失敗して後悔した方が絶対にいい!そして得られる経験も多い!
瞬発力、スピード重視の経営をしていきたいです。

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