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「伊東家の食卓」「バラ色の珍生」の雨ちゃんと話して改めて思ったこと

電波少年Wに日本テレビの雨ちゃんこと雨宮秀彦にYoutuberとしてゲストに来てもらった。この1月から「裏ワザ倶楽部」というYoutubeを始めているのだ。
https://www.youtube.com/channel/UClRg25MVgbTcYFbMEpV2Jbw

そこで雨ちゃんがやった「伊東家の食卓」「バラ珍」の話になったのだが共通しているのが『企画書と全く違う番組になっている』ということだった。
「バラ珍」は最初は面白い人生を送っている人を紹介する番組だったのだが当たった時は「ご対面番組」になって徳光さんが毎週泣いていた。
「伊東家」もいろんな年齢層の人がいろんな切り口で喋るトーク番組だったのだが「裏ワザ」番組になって当たった。
実はここに「当たる」秘密がある。
よく企画が大事というがそれは”企画出す人”と”企画選ぶ人”がいて、この選ぶ人は「当たりそうな企画」を選ぼうとする。するとどうしても「今当たっている番組」みたいな企画を選びがちになる。そうすると残念なことに滅多なことでは当たらない。今のテレビ番組はその悪循環に陥っているような気がする。「どこの局も似たような番組ばかりだ」という感想が一般の人から聞かれるのはそういうことだ。では「今ない番組のような企画を選ぶ」ことができるか?これは考えるまでもなく難しい。それについてはここで解決策を提示しているので読んでもらえれば。
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64382?fbclid=IwAR2CHUbkPIHFvH_4J9d6ikL9RmV6HiLJYnh-Dhfa52BG-FbS-E3Af2b3boE

もう一つの「当たる」番組の作り方が”選ばれた後に番組を作り替えられる”などである。だからそれをできる力量・感覚が必要になる。
「伊東家」「バラ珍」だけじゃなく僕で言うと「電波少年」は”誰も期待していなかった”から企画書なんて誰も見てなかったし、でもアポなしを見つけたのは番組始まったからだし本当にブレークしたのはヒッチハイク以降なのだ。ちょっと考えてみてもわかるように世の中で「誰も知らない芸人コンビが香港〜ロンドンまでヒッチハイクで行く企画」を『これはいける!』と選べる人がいる訳が無い。それは作りながらの直感でしかない。
事件だけじゃなくて企画も現場で起きているんだ!(となる)
ところがテレビ局だけじゃなくどこの会社・組織も「企画書」でやることを決めようとする。そこそこ当たるものが欲しいならそれでもいいんだが「バカ当たり」させたいんならその決め方では無理なのだ。
実はベンチャー企業にそのヒントがある。いろんな投資家や投資ファンドが出資するんだがその人たちは出資の成功するのは「1勝9敗」だって知っている。そのくらいの確率でしかベンチャーが成功することはない。しかし1勝が9敗の負けを大きく凌駕してくれるのだ。だから”今ない”ビジネスを起こそうとするベンチャーが生まれる。
今ない企画も当たるのはそんな確率だ。テレビはそれをやってきたから進化してきた。これはアメリカと違うハードソフト一体型だったからだというのもある。つまり『内製』だったからそれができた。局と制作プロダクションが完全分離されているなら制作プロダクションは毎回当てなければ会社が潰れる。だから「当たる!」より「外さない」企画を局に提出する。これが実はアメリカよりも日本のテレビが進化した理由なのだ。
だから話し合って組織で決定する「企画」が当たるのは実行するメンバーがその過程の中でスタートの形に拘らず「作り替える」決断と実行をした時なのである。

あとこれを書きながらテレビ番組が当たるために必要なことを先日お話ししたTBSのドラマ「高校教師」伊藤一尋さんから聞いたことがあるのだがそれも後日にしよう。あ、伊藤さんは電波少年Wに6月7日にご出演していただきます。

それと写真は日本テレビが汐留に移転したときに作った「シオタマ」というキャラクターです。この時代はトップが何も言わずに「全部お前に任せた!」と言ってくれたから実現したムチャクチャな企画でした。

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