落ちやすい技

柔術には絞め技が数多くあるが、その中でもよく落ちる(失神する)技がある。小手絞りやループチョークなどがこれに当たる。練習でも試合でも起きやすい。
しかしバックやマウントからのチョークで落ちることは少ない。これはどうしてだろうか。

理由は、バックやマウントからの絞め技はすでにポジションで相手を圧倒しているからだ。
受け手はポジションを取られた状態の場合、心理的に追い込まれてすでにタップしやすい状況になっている。逃げ場が無い状態で絞め技をされてしまえば、相手は容易にタップしてしまう。
ポジショニング→絞め技という順序を踏んだ場合は落ちる可能性は低くなる。

落ちるときはこの順序が飛ばされた場面で非常に起きやすい。
例えばループチョークだが、これはパスガードで上から頭を突っ込んできた相手に仕掛ける技で、ギロチンの要領で首を抱えたら、そのまま敢えて相手に抑え込ませて絞める。
これはポジション取りを飛ばして即絞めにいく。また相手は抑え込んでるので自分の方が有利なポジションだと錯覚する。相手は不意を突かれて心理的にタップの準備が出来ないので、過度に耐えてしまい失神するのだ。

しかもこの手の技は、受け手の顔が下を向いてたりして見えにくい場合が多いので、落ちたかどうかの判断が遅れることも多々ある。手足の脱力などでも判断するが、審判にとっては正直あまり出くわしたくない場面だろう。

落ちやすい技をサラッと上げると、小手絞り、ループチョーク系、ベースボールチョーク、クロックチョーク(腰絞め)などがある。セットアップが早い技の傾向がある。

なのでクラスのスパーリングでは、これらの技を見かけたらかなり注意して見ている。失神してるのにさらに絞め続けられたら、たまったもんじゃない。脳にも多少のダメージがあるだろう。皆さんも練習で見かけたら注意して見てあげてくださいね。

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