力を利用すること

昨日インスタとツイッターに投稿した大外パスが思いのほか反響があったので、解説しようと思います。

この大外パスは昔からよくあった技で柔道出身の選手がよく使います。別に柔道出身でなくても技の動きはシンプルなので、形だけなら誰でも簡単に真似できる技です。

柔術を始めて間もない人にはよくかかります。あとは足が効かない重量級にもかかりやすいです。柔らかい人は倒しても必ず足が入ってくるので難しいです。

僕は少し前からこの技が掛かる時と掛からない時の差は何だろうと考えるようになりました。単純に相手が反応出来なかったらというのもあるだろうが、それだけなのかなという疑問がありました。そこで実際に練習で試してみて、技が掛かりやすいタイミングに気付きました。

前半と後半の違いは相手が力を入れているかどうかです。
最初の2つは完全に形だけの動きでお互いにほとんど力は入ってません。ですが後半の2つは僕が力を入れて引っ張ることで、相手もそれに反応して引っ張り返します。相手が引っ張り返す力を込めた時に大外刈りをします。相手は僕を引っ張っている訳ですから、僕の大外刈りのスピードもその分加速します。また相手は上半身に力が入るので、足を利かせにくくなりパスをされてしまうのです。

理屈はこれだけです。タネは意外に簡単です。
もちろんコツはこれだけではなく、もっと細かい要素が絡まりあって技は決まるものなので、人によって理屈は異なってくると思います。
ただ、これだけのコツでも気づけないという方もけっこうもいるかもしれません。そういった方は形だけを真似しても、なかなか上手くいかないことでしょう。もちろん成功する場合もあるでしょうが、一つのコツを意識するだけで成功率は大きく変わります。

この大外パスのように柔術は相手の力を利用した技や動きが沢山あります。完全に脱力した相手なんていないので、力を入れる相手が前提になります。だから打ち込みで出来ても実際のスパーリングで仕掛けるのは難しい訳です。

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