20240121

案外ひとりで過ごす一日ははやく過ぎると、最近思う。起きて、コーヒーを買いに出る。コーヒーを飲むために電車で片道40分ほど喫茶店に通い詰めたあの頃の私とは遠く、近場のファミマとポーションさえ入れれば泡立ったコーヒーが飲める機械で済ます。特段うまくはないけど、紛れもなくコーヒーである。使い切らなければならない牛肉の切り落としでプルコギを作って、使い切りたい白菜とえのきとあったにんじんで味噌汁を作って食べた。12時ごろ起きたので食べ終わるころには15時をまわっていた。そこから柳瀬さんのステージを聴きながら二杯目のコーヒーを飲んで二日ぶりに煙草を吸った。もう少しあるかなと思ったらラスト一本だった。夜中の雨模様も鳴りを潜め、曇天のあいまが青く明るくなっている。そこからまた二時間ほど経った今は雲もなく、しかし目の前の草は濡れていて、久々に嗅いだ湿気の匂いだった。開けたことのないでかい窓を覗いたら壁の向こうに知らない空間があった。

二階でずっと恋人は眠っている。昨日寝る前、明日は久々になにもないから起きるまで寝るんだと言っていた。最後に一緒に飯を食ったのはいつだ、とずっと思って寂しくなっている私は、また私とあなたの今日が一日死んだねとか思っている。こんな性格悪いこと絶対言えないし言わないけど。ずっと音楽を聴いてて、ノイズキャンセリングでしかも大きな音で聴いているので、音楽以外で聞こえるとすれば強でつけている換気扇がかすかに、というくらいで。この家には人間が二人いるはずなのに、こんと存在の強さが消えるなと、とても不思議だった。死人のように眠るとは言うけど、その表現ではそこにありありと人がいる。そういう感じでもない。または、そうでもしなければ私が寂しさでやになるのかもしれない。恋人は本当によく眠る。(17:35)

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