講師との模擬カウンセリング-1回目

はじめに

キャリアサポーター・アカデミーの重要なカリキュラムである、講師との模擬カウンセリングに臨みました。少し時間が経ってしまっていますが、実施してみての所感を残しておきます。
講師との模擬カウンセリングとは、普段はプロのカウンセラーとして活動をされているキャリアサポーター・アカデミーの講師の先生がクライアント(相談者)役、自身がカウンセラー役となり、60分間のキャリアカウンセリングを模擬的に行うというものです。

事前準備

まず相談者ですが、この先の仕事のキャリアパスに悩んでいる30代の男性、という設定です。周りがよく思えてきたのかな?自身の仕事の意味を考え出したのかな?と色々と想像しましたが、この段階ではふわりと考えただけで(時間が取れなかったとはいえ、これが後々で後悔することに…)、特にこう進めようとか、こういう話が出たらこう聞いてみよう、といった具体的な作戦は立てずに臨みました。

模擬カウンセリング本番

本番では「あまり自分からは話をしない男性の設定」を演じてもらうようリクエストしました。今職場で取り組んでいるキャリアカウンセリングの相談者は男性の方のほうが少なく、経験が比較的乏しくなっていることと、沈黙や間があると「何か言わないと」という切迫感に駆られてしまうクセみたいなものがあることから、あえて自身にとっては難しい設定で挑戦することにしました。
当初最低限の目標としていた、60分間のカウンセリングはやりきることができました。ただ、時間をやり通しただけで、これでクライアントが満足しているのだろうか、この人に相談して良かったと思えているのだろうかという疑問が残った状態で終えることになりました。特に後半は何を話せば良いか、問い掛ければ良いか、打ち手が尽きてしまっている感は否めませんでした。加えて、何とかしないとと思うあまり、アドバイスや教示的な発言が多くなってしまっていました。

実施直後の振り返り

模擬カウンセリング実施後に講師の先生から振り返り、フィードバックをいただきました。まず、メモや記録を取ることに気を取られて、クライアントを見ることが疎かになっていることが多々ありました。クライアントにとっては聴いてもらっているという感じが無くなってしまうので、基本的な関係構築ができないことに繋がってしまう。ああ、なるほど。こんな基本的なことが意識できていませんでした。
後半部分で多くみられた問題解決思考の発言や問い掛けについては、当然のことながら講師の先生から指摘がありました。この人なら分かってくれるな、この人になら話してもいいな、とは思えない人からアドバイスされても、当然響かないですよね(と同時に自身の過去の痛い体験を思い出し、さらに腹落ちしました)。
何か言わねば尋ねなければ、ではなく、クライアントの過去の成功体験やメタ視点の問い掛けをすることで、自発的に話せる環境を作っていく、こういった点も自分にとってはこれまで全く頭になかった視点でした。

テキストフィードバックの作成

このカリキュラムでは、模擬カウンセリングを行うだけではなく、クライアントへのテキストフィードバックも作成します。カウンセリング中メモはほどほどに、終了後10分くらいで一気に書く、と助言をいただいたので、忘れてしまわないうちに書きあげたのですが(それでも2時間くらい掛かった)、後ほど返していただいた添削で、「質量しっかり書きすぎており、これを作ろうとすると実際のカウンセリングそのものが疎かになる可能性がある」とのコメントをいただきました。確かに、テキストフィードバックをちゃんと書かないと、と思うあまりに最中の記録に気を取られてしまう、という悪循環があるのだと気付きました。

記録動画の見直し、講師からのフィードバック

記録した動画の見直しと、講師の先生から各項目ごとのフィードバックシートに記入いただいたものを確認することで再度模擬カウンセリングの振り返りを行いました。
やはり聴く、のではなく、”尋ね”過ぎていること、かつ直線的な聞き方をしており、クライアントが困惑していること、そして後半の問題解決思考に起因したカウンセラーの話が多くなっていること、が大きな反省点でした。

次回に向けて

キャリアサポーター・アカデミーの模擬カウンセリングトレーニングが素晴らしいのは、ただ模擬練習をしてフィードバックをもらう、には留まらないことです。自分自身のカウンセリング動画はもちろん、他の受講生の模擬カウンセリングの記録動画やフィードバックシートを見ることができます。他の方のカウンセリング内容を見ることで、非常に勉強、参考になると考えています。
反省点を少しでも改善できるよう、これから順次行っていく受講生同士の模擬カウンセリングの場などを活用して練習していきたいと思っています。また、本番で行き当たりばったりにならないよう、事前の見立てもしっかり考えた上で次回は臨もうと思います。

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