【押川剛;50歳からのキャンパスライフ】3 若い世代が突き抜けるためには人と違った「好き」を突きつめる

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熊本県熊本市出身の友達が写メを撮ってくれました!

大学のゼミで、自己紹介の時間があった。席を移動しながら、一人ひとりと対面になり、自分の好きなこと(趣味など)を相手に伝えるのだ。「一年間一緒に勉強するんだから、お互いによく知りあいましょう」と、教員は言っていた。

「中学生みたいだな」と俺は思った。しかし今は、こういう時間をわざわざ設ける必要があるらしい。俺が教員だったら「みんな仲良くしろよ、じゃないと単位やらないぞ」って言って終わりにするところだが、それはそれで「アカハラ」とかなんとか言われちゃうんだろうな。

学生ちゃんの自己紹介を聞いていると、そのほとんどが、好きなこと(趣味など)に「アニメ」「アイドル」「ゲーム」を挙げていた。一応、「なぜ好きなの」などと質問をして相手も答えてくれたのだが、俺が知っている固有名詞は「サカナクション」だけで、あとはちんぷんかんぷんだった(笑)。

俺も自分の仕事が漫画になっちゃっているし、今さら「アニメ」「アイドル」「ゲーム」についてオタク云々と言うつもりはない。しかし、若い世代になると「アニメ」「アイドル」「ゲーム」がここまで市民権を得ているのか!というのは、新たな気づきだった。

と同時に、今の若い子たちは、どこで「感動」、つまり心を動かしているのだろう?とも思った。もちろん、「アニメ」「アイドル」「ゲーム」にも感動はある。そこから得るもの、学ぶものもあるに違いない。しかしそれらは、どこまでいっても仮想、二次元の世界である。受け取るだけの、一方通行でもある。ナマのコミュニケーションから生まれる「感動」とは異なる。

その一方で、「アニメ」「アイドル」「ゲーム」について知らないと、同世代とのコミュニケーションが通用しない。矛盾しているな。そこにある矛盾こそが、仮想と現実の境界が曖昧になっている証かもしれない。

そんな中で、俺が「お!?」と思う自己紹介をした子が2人いた。彼らの「好きなこと」は、とても現実的でエネルギッシュだった。「人間らしいな」と俺は思った。反対側から考えると、同世代の中で「飛び抜ける」のは簡単なのかもしれない。「アニメ」「アイドル」「ゲーム」以外にも「好きなこと」を見つけて、徹底して磨きをかければいい。時間だけはたっぷりあるのが、学生の特権なのだ。

ちなみに、俺は自分の好きなことについて「本当のことを言うこと」と話した。学生ちゃんが「どういう意味ですか」と質問してきた。俺は、「本当のことを言うために、好きなことをして生きてきた」と答えた。


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