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ロックしかねーだろ、人生は (最初の旅 vol.03)

さて、とりあえず宿は確保した。初めての一人旅にして直接ホテルで交渉して宿を決める、できるじゃないか、ちょっとだけ自身が付いた、成長した気がした、縮み切っていたチンコが少し元に戻った。ふー、今日一日は生き延びることができそうだ。

時差は二時間のため時差ボケはないが流石にAM4:00起床で慣れないことの連続で疲れに疲れた。リュックを野茂直伝のトルネード投法で床に放り投げつけ、靴を脱いでベッドにダイブ。薄暗い部屋でしばらく放心する、また少しチンコが元に戻る。ホテルってなんでこんなに暗いんだろう、ぽくぽくぽく。

PM3:00、よし、ちょっとホーチミンの街中を散歩してみるか、と財布、パスポート、デジカメ、地球の歩き方をリュックに詰め込み部屋を出た。ホテルのフロントにホテルの名刺みたいなカードがあったのでこれを取る、後ろに簡単な地図が載っているのでもし迷子になっても帰って来れそうだ。

ベトナムに来て何をするとも決めていないため、もちろんホーチミンでも何をするか決めていない、どこに行くかも決めていないため、とりあえず地図も見ずに適当に歩いた。信号があまりないため道路の向こう側に行こうとするとビュンビュンと走る車、バイクの隙間を縫いながら行かなければいけない。最初は躊躇して渡れなかったが、二機ほど失ってからちょっとずつベトナム人と同じ動きをし続けることで一時間ほどしたらもう単独でもストップアンドゴー(ロボットダンスのアレ)を繰り返しながら渡れるようになってきた。うーん、こうゆう出来なかったことが出来るようになって、その地に馴染めていく感じが心地よい、これなのか一人旅のリビドーは。

ずいぶん歩いてみて発覚する、迷子になったことを。うーん、生まれるときに三半規管を旧仕様スペックをチョイス(ちなみにチンコは最新版を購入)したため、どうにも道が覚えれない、地図が読めない、迷子になりやすい。地球の歩き方の地図を見て今自分がどこにいるかを見つけようとするが、もちろん分からないし、道路の名前は看板に書いているが、ベトナム語で読めないし、記号として地図上と一致する場所を探すが分からない。
道端に立ち止まりながら地図を凝視していると、たくさんのタクシードライバーがプップーとこちらを見ながらクラクションを鳴らしてくる。ホテル名を言えばタクシーで帰れるだろうが、歩いてきた距離でタクシーはもったいないし、もし乗ってしまったらまたボラレテしまう可能性もあるので無視を決めるが、なかなかみんなしつこい。もうどうにも身動きができないというか歩いても歩いてもタクシーが着いてきて、おい、どこに行きたいんだ、って感じで、それを無視して歩くがどっちに行けばいいか分からない。あー、もうどうしようって思っていたらこれまた結構しつこいバイクタクシーのおっさんが2ドルで街を案内してくれるようなことを行ってきたので、まあそれもいいかなと思って承諾快諾、バイクの後ろに跨ってこの場を後にした。

まずはチャイナタウンでカンフーでも見るか、ってことで覚林寺っていうお寺へ。カンフーが見れるってんで少し期待していたが、お寺に人は全然いなかった。遅い時間だったためか、おれっちが間違った解釈をしていたのかカンフーは存在するの分からんが、薄暗いお寺をプラプラと散歩した。

覚林寺

このバイクタクシーのおっさんは確かボーって名前だったと思うが、一緒にこのお寺を歩いていると、なんとお供えしていているマンゴーを当たり前のように盗んで、えへへちょろいもんさって顔して小脇に抱えていた。そんなもんなんか?

その後サイゴンリバー近くの店でフォー・ボーを食べるが、う、旨い、これがパクチーっていうやつか、噂では聞いたことがあったがおれっちのお口にはマッチしていてうまい。ビールは氷入りで、これもアジアでは良くあると聞いていたし、この氷でお腹を壊すとも聞いていたが、まあいっかとビールを2杯グビグビと飲む。食べ終わると8万ドンと言われたがこれはボーさんのも含まれているのか?、確かこのときは1ドルが15500ドンくらいだったけど、これは正規の値段だったのだろうか?、ぽくぽくぽく。

フォー・ボーを食す

咳をしても一人、コホンコホン。 (ガサガサ) おい、大丈夫か? えっ、誰?