愛の新時代: 変わりゆく関係性を捉える革新的調査

この研究では、アメリカの結婚と交際のパターンの変化を調べました。
従来の結婚状況の指標では現代の複雑な関係を十分に表現できないことがわかったため、新しい「交際状況」の指標を開発しました。

全国規模の調査を行い、2,783人から回答を得ました。
この新しい指標を使うことで、カジュアルな付き合いや開かれた関係など、さまざまな形の交際を把握することができました。

調査の結果、異性愛者とそうでない人たち、また性別によって交際パターンに違いがあることがわかりました。
また、多くの人が結婚にこだわりをもっていることも明らかになりました。

この研究は、現代の多様な関係を正確に理解するためには、新しい測定方法が必要だということを示しています。
今後の家族研究では、従来の結婚状況と新しい交際状況の両方を見ていく必要があるでしょう。

このアプローチは、現代社会で人々がどのように親密な関係を築いているかをより深く理解するのに役立つと考えられます。

Compton, D. L., & Kaufman, G. Looking beyond marital status: What we can learn from relationship status measures. Journal of Marriage and Family.

はじめに

結婚と独身の傾向の変化

過去数十年間、米国では結婚のパターンが大きく変化してきました。
成人に占める既婚者の割合は減少傾向にあり、既婚男性（51.6％）が未婚男性（48.4％）をわずかに上回る一方、既婚女性は未婚女性の数をわずかに下回っています。
同時に、特に2015年の最高裁判決によって合法化された同性婚の増加が顕著です。
同棲している同性カップルのうち、結婚しているカップルの割合は、結婚の平等が確立された後、38％から63％に上昇しました。
しかし、同性の配偶者と結婚しているLGBT成人の全体的な割合は10％で安定しています。

独身の増加と意識の変化

婚姻率の低下に伴い、未婚者の割合が増加。
40歳までに成人の4分の1が未婚のままであり、独身者の多くは結婚にまったく興味がないのかもしれません。
最近の調査では、未婚の成人の半数が積極的に交際を求めていないことが明らかになりました。
この変化は、アメリカ社会における結婚や恋愛に対する意識の変化を反映しています。

家族の定義の拡大

オバージュフェルの時代以降、家族の概念は従来の定義を超えて広がっています。
同性カップル、子どものいないカップルや個人、混合家族、共同生活など、多様な家族形態が受け入れられ、祝われるようになっています。
このような広がりは、家族を構成するものについての歴史的な前提に挑戦するものであり、多様な性的指向や性自認への支持の高まりを反映するものです。

新しい関係性の尺度の必要性

人間関係のダイナミクスが進化し続けるなか、現代の人間関係の多様性を正確に捉えることができる新しい尺度を開発し、実施することが極めて重要になります。
従来の調査方法は、現代アメリカにおける交際ステータスと家族構成の全領域を理解するには不十分であったり、偏りがあったりする可能性があります。
本稿では、このような課題に対処し、アメリカ人が今日の人間関係をどのように概念化し、経験しているかをより包括的に理解するために考案された、新しい関係ステータスの尺度を紹介します。

方法

データソースとサンプル

全米確率調査であるAmerican Marriage Survey（AMS）が本研究の基礎。
シカゴ大学のNational Opinion Research Center（NORC）が2021年8月に実施したもので、米国在住の18歳以上の2,806人が対象。
調査は主にウェブで実施され、多様なサンプルを確保するために一部電話調査も行われました。
専門のインタビュアーが英語とスペイン語でアンケートを実施。
交際ステータスの質問に回答しなかった23人を除外したあと、最終的な分析対象サンプルは2,783人となりました。

調査デザインと目的

AMSは、同性婚やポリアモラスな結婚を含む、結婚や交際に対する意識を調査するために設計されました。
性的指向を横断して比較し、関係の多様性を認識し、理想的な関係タイプとしての結婚についての前提に挑戦することを目的としています。
この調査では、特に性自認、性的指向、関係のタイプについて、人口統計学的なセクションに記述式回答の選択肢を設け、よりニュアンスのあるデータ収集ができるようにしました。

関係ステータスの測定

この調査の主な特徴は、従来の婚姻状況指標よりも広範に設計された、斬新な交際状況指標です。
この指標には以下の選択肢があります：

1. 交際しておらず、デートもしていない

2. 気軽にデートしている（1人または複数の個人）

3. 排他的な関係

4. 複数またはオープンな交際中（パートナーは私の交際を知っています）

5. 複数の交際相手と交際中（交際相手は私の交際相手を知らないかもしれません）

6. その他、具体的に記入してください。

この指標は、カジュアルな交際、排他的な交際、さまざまな形の合意による一夫一婦制でない交際など、より広範な交際タイプを捉えることを目的としています。

その他の人口統計学的指標

本研究では、性的指向と性自認に関するデータも収集しました。
性的指向は、ヘテロセクシュアル／ストレート、ゲイまたはレズビアン、バイセクシュアル、アセクシュアル、その他（指定オプションあり）の選択肢で測定。
性自認は、男性、女性、トランス男性、トランス女性、ノンバイナリー、その他（指定オプションあり）の選択肢で評価。
人数が少ないため、トランスとノンバイナリーの回答は1つのカテゴリーにまとめて分析。

事前テストと調整

リレーションシップ・ステータスの測定は、家族の専門家、同僚、2つの大学にまたがる大学のサンプルで事前テストされました。
最初のテストでは、オープン・テキスト・オプションの使用は少なかったものの、全国サンプルでは、「既婚」や「寡婦」のような配偶者のアイデンティティを示すために、このオプションの使用が増加していることが明らかになり、これらの回答のさらなる分析が必要となりました。

結果

記述的所見: 配偶者の有無と交際状況