書評:0秒経営 組織の機動力を限界まで高める「超高速PDCA」の回し方/星崎 尚彦 (著)


この本は星崎氏がメガネスーパーの社長に就任してから売上をV字回復させたストーリーです。星崎氏は三井物産出身で複数の小売業を立て直したプロの経営者です。私がこの本から学んだことは以下の3点です。

1.スタッフとのコミュニケーション

星崎氏はメガネスーパーのスーパーのみならず店舗のスタッフとも積極的にコミュニケーションをとることで会社の方針が浸透しているか自分の目で確認していきました。現場スタッフが改善案を持っていたのにも関わらず実行していなかったことは、その場で実行するというスタンスをとりました。スタッフは上からの承認を得ないのにやっていいのかとためらったそうですが、会社トップである星崎氏がその場で承認して実行していきました。文字通りの0秒経営です。このようにして組織が一体となる経営を実践していたことがよくわかります。スタッフとの関係は濃いものになり、星崎氏はスタッフの家族ことを知るまでになりました。

新しい組織に入ったとき、そうでない時でもメンバーとの積極的なコミュニケーションは大切です。私も仕事が上手くいっているときはプロジェクト関係者と良好なコミュニケーションをとることができておりました。携帯電話のシステム構築をしていたときは関連するシステムのベンターだと良好な関係を築くことができておりました。転職後に担当した、音声系システムのプロジェクトでは、メンバーとのコミュニケーションはそれ程取れておりませんでした。特に顧客とのコミュニケーションが不足しておりました。非常に対応が難しい顧客でプロジェクト関係者の中では「あの人が言っているからね、どうしましょうか」という会話が日常的でありました。同僚からはその顧客と「飲みに行ったらいい」と言われたことがありました。今振り返れば、その顧客から逃げていたのだと思います。飲みに行くかどうかは別として顧客に対してもっと興味を持ち、彼らのために貢献できることを良く考えて実行していればプロジェクトもうまく進んでいたと思われます。


2.会議のやり方
星崎氏が各部門で話をするのでは体がもたないからと始まった大規模なアクション会議です。10時間ぶっ通しの会議では毎週月曜日に全部門から200人の社員を集まり実施されます。会議
会議の司会進行と議事録作成は星崎氏が担当します。決めるべきことをその場で決定していきます。

会議多い、会議が長いという声はよく聞こえてきます。でもそれは会議の進行方法が良くないからそうなるのではないでしょうか。資料を読み上げて報告をした後、質問もコメントもないのであればメールで連絡すれば済むことがかもしれません。そのような会議は生産的ではないと考えます。本質的な問題は何であるのかを議論する会議というのは意外と少ないかもしれません。また議事録の担当者についても疑問に思うことがあります。会議が始まるときに若手のメンバーに「議事録を書いといて」、会議が終わったあとに唐突に「議事録送っておいて」という声を聞くこともあります。会議を進行するのであれば、ファシリテータと議事録作成の担当を明確にして会議に臨むことが必要だと考えます。私が会議を主催するときはファシリテーションと議事録も自分が担当することにしてます。会議の最後には必ず決定事項とアクションアイテムを確認します。書きながらであると話をするのに時間がかかるかもしれませんが、参加者の共通認識を持つことができるので効果的であると考えてます。星崎氏のように参加メンバーが納得して「やります」という会議を運営することで非常に効果的になる。これは是非とも参考にしたい。


3.約束を守ること
守れない約束はしないことです。「利益が出たらボーナスがを出す」といったらボーナスを出す。約束を守れないときは理由を隠さずに説明することが必要です。約束を破ったときは信頼は下がるが、約束を守ったときに得られる信頼は非常に大きいです。

社長から見たら社員は1000人いるかもしれませんが、社員からみたら社長は一人しかいません。社員は社長に期待をしています。約束を守ったときに社員は自分たちの方を向いていると実感して、会社の事を信頼することになるのでしょう。私の場合は会社を全く信頼してません。会社から発せられる情報を信頼してないし、毎年のように言われる経費削減も理解できません。自分ができる経費削減は限られているし、部門ごとの経費削減の効果は視覚化されていないので効果があるのかは誰もわからないからであります。上司に質問をして本質的な問題と回答を試みてます。満足な回答を得らないことが多いですが、まずは自分自身が実績を出して証明することを第一に考えていきたいです。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?