褒める人たち―2023/11/09日記

「大喜る人たち」というYouTubeチャンネルがあり、大喜利をコンテンツにしているチャンネルの中では抜群の登録数・人気を誇っているのですが、そんな大喜る人たちが主催で、芸人・アマチュア入り乱れてのフリーエントリー制のトーナメントが開催されまして、去る10月20日に決勝大会が行われました。私は予選落ちでしたが、YouTubeの生配信で観させていただきました。

↑見てない人は見よう。なんとアーカイブも無料。

特筆すべきは関西アマチュア勢の大活躍で、優勝の木曜屋さんはじめ、ゴハさんもひつじのあゆみさんも、とても理想的な形でウケていて、私も関西アマチュア勢の端くれとして非常に嬉しかったです。お三方は本当におめでとうございます。
このことについて確かゴハさんがツイートされていたのですが、「予選の様子もフリー配信することで、どういう回答をする人なのか、どういうストーリーで決勝に上がってきているのか、いわば予習してきてもらった状態だったから温かく迎え入れてもらえた」というようなことをおっしゃっていて、あぁ、確かにその通りだなと、これは大喜る人たちというチャンネルが全活動を通して耕してきた土壌の上に成立した果実であると、そう思ったわけです。エンターテイメントの世界で、配信とライブをどう組み合わせるかというのは非常に難しい問題ではありますが、これは非常に幸せな例といえるのではないでしょうか。

私も予選の動画でいくつか出させていただいた中で、肌感覚として感じたのは、皆様が意外なほど好意的にコメントくださるんですよね。一昔前のインターネットの感覚だと、もっとアンチコメントがついてもおかしくないと思うんだけど、ちょっと優しすぎるほど優しい。
でもこれって、インターネットを使う人の性格が一斉に優しくなったというより、インターネットを覆うムードというか、ベースになるマナーが切り替わったんだろうなという気がしています。前は褒める方が浮いてたけど、今はアンチコメの方が空気読めてないみたいな感じになる。叩いて叩かれて丁々発止みたいなところが面白かった空気から、良いところを我先に見つけて褒めあってコンテンツとして盛り上がっていったほうが全体としてハッピーだよね、という世界に。
この変化はもちろん良いところも悪いところもあると思います。ただ、アマチュアの大喜利でも分け隔てなく笑ってもらえるという部分に関しては、私個人としてはめちゃくちゃありがたいな~と思っています。

思えばアマチュアの会議室大喜利は昔からそういうところがあった気がします。回答に対して笑いという好意的な反応を返した方が自分にとっても得、という生態系。
お笑いが好きだからどんな答えでも面白みが分かって笑うというところも勿論あるのですが、正直なところ、別に面白くなくても、一応笑いという反応を返しておいた方が、回答者は委縮することなく次の答えを出していける、というのを知っているから、笑う。という場面もあります。実際そうやって楽しく会をやって来たし、この趣味のあり方として全く健全なものだと思います。
アマチュア大喜利は時代を先取っていた!というのはちょっと違う気がしますが、割と一考に値する類似性ではないでしょうか。

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