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La luna e i falò (3)

La luna e i falò / Cesare Pavese (Einaudi, 208ページ)を今日は第21章の114ページまで読みました。

今回は、小作人の生活の描写が多くありました。今までほとんど小作人目線で描かれた本を読んだことなかったので、あらゆる描写が新鮮でした。

かつて自分が住んでいた家を再訪したい「私」は、Nutoとil Valinoの家を訪れます。そこには自分がかつて住んでいた時と同じように惨めな暮らしがありました。作物のほとんどは農場主に取られ、小作人たちはその日の食べるものにもやっと。Il Valinoの家には栄養状態の良さそうな”bestia”(牛)もいます。家畜の餌は農場主から支給されますが、畑を耕す小作人には与えられません。

前回、il Valinoと畑で会った時に、ワイン一杯の誘いもないのを残念がっていた「私」ですが、il Valinoの家を出るとNutoはこう言います。あんな惨めな生活をしている奴からも酒を奢ってもらおうという奴もいる、と。

Scendendo il sentiero mi borbottò che c'era di quelli che avrebbero accettato un bicchiere anche dal Valino. Con la vita che fa, disse rabbioso.

Cesare Pavese, La luna e i falò (prima edizione 1950), Einaudi, 2011, 87

「私」がこの家を出ることになった理由は、養父とその娘二人が別の農場主の小作人として雇われたためでした。しかし、まだ幼く労働力とみなされなかった孤児の主人公までは世話になれず、彼はMoraの農場主に引き取られるます(当時、こういったのを仕切るのは教会の神父さまでした)。Moraの館はかなり大きく、使用人もかなりの数がいました。農場主には先妻との間に娘が二人、今は後妻を迎え入れて、娘のSantinaが生まれたばかり。主人公がNutoと知り合うのはMoraに行ってからですが、大人になってからのNutoはMoraでの出来事を語りたがりません。Moraの館にも戦争の暗い影が落ちていたようです。

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