2021/11/2 大切なことは全てV6が教えてくれた
V6が解散した。2021年11月1日、26周年を迎え、V6は解散した。
まだ全然実感がない。実感は全くないのだけれど、やっぱり、どこか、なにかが変わってしまった気もする。
実は、本当のことを言えば、V6が解散したって、私は全然平気だと思っていた。
私が彼らのファンになったのはV6が10周年を迎える年の夏。ファン歴は16年になるのだろうか……。実に私の人生の半分くらいはファンであるわけだが、きっと私は、そんなに熱心なファンじゃなかった。もっと以前から応援しているファンの方々はいっぱいいらっしゃるし、勿論最近ファンになった方だって物凄い熱量を捧げている方は、いっぱいいるだろう。
私はと言えば、ここ数年は現場にも行けていない。テレビが無いので地上波の放送も全部は追えていないし、シングルの全種買いだって我慢するようになってしまったし、他のコンテンツの方に熱量を傾けていたことだってある。ダメなファンだ。ただ、それでも心の何処かには、いつだってV6がいた気がする。これはそんなV6のファンだと胸を張るには烏滸がましい、けれど確かに彼らが好きだった一人のオタクの、どうでもいい回顧録だ。
2021年3月、今年の11月1日にV6が解散すると言うニュースを見かけた。その時、私はやっぱりこれっぽっちもショックじゃなくて、そのことが少しショックだったくらいだった。
だた、それはその「終わり」が、散々週刊誌で言われていたようなネガティブなものではないって、勝手に信じていたからだ。それはきっともっとポジティブな「みんなで出した、最善の結論だったんだろうな」と、一にも二にもなく信じていたからだ。
きっかけは確か、今から10年程前、2011年の「Sexy.Honey.Bunny!」のコンサートでアンコール前の最後の楽曲「明日の傘」を聴いた時だったような気がする。こんなことを言うと何様だと思われるかもしれないが、私はその時「あ、もう大丈夫なのかもしれない」と、勝手に納得していた。本当に、勝手に。
そもそもその「納得」の理由は、更に少し前に遡る。私が彼らのファンになった当時、V6結成10周年からの数年間は、ファンの間ではすでにお馴染みの所謂「オカダの反抗期」の真っ最中であった。
(↑以前書いたこの記事にも少しだけ触れていたりする)
これは完全に蛇足だけれど、私が彼らのファンになったきっかけは、2005年の夏に放送された「学校へ行こう!」の九州六人旅の中で、六人が朝日を眺めるシーンだった。多分、そんなに重要じゃないシーン。本当に一瞬流れただけのシーンだったのだけれど、その中で、眠たそうに朝日を見ながらネクタイを結ぶ三宅さんと、そんな三宅さんを見て、まるで本当の兄のように優しく肩を叩く井ノ原さんの姿に、なんだかめちゃくちゃやられてしまったのだ。我ながらなんでそこ?と思うのだけれど、でもあの一瞬から感じられた、素(に近いであろう)彼らの気の置けない家族のような空気感がたまらなく好きだったのだ。
そんな私なので、ファンになってそれ程経たずに訪れた「オカダの反抗期」には、ほんのちょっとだけ辛いものがあった。勿論、それはそんなにあからさまなものではなかったのだけれど、コンサートで感じる雰囲気というか……なんというか、そんなものが、どこかうまく噛み合っていないように思えてしまったのだ。
今になって思えばファンになって数年のペーペーが何言ってんだ、って感じだけれど、きっとそれは、あながち間違いでもなかったのだろう。
そんな雰囲気が少しづつ変わってきた、と感じたのが2008年の「VIBES」コンだ。岡田さんが演出、森田さんが衣装を担当したこのコンサート。こんなことを言うのはきっと烏滸がましいのだけれど、私はこのコンサートの時、彼らが彼らの意思で「6人で、V6でいようとしている」、そんな努力とも言える意思を感じた(いやほんと、何言ってんだ、って感じで申し訳ないです)。
更に勝手なことを言えば、もしかするとそれまでのV6は、(きっと他のアイドルグループもそうかもしれないように)本人達の意思とは関係ないところで勝手に結びついていたんじゃないか、なんてことすら思っていた。それはある意味では本当の家族のように、「一緒にいること」への努力を必要としなくても「一緒にいてしまう」状況だったのではないか、なんて。
それが10周年を越えて、周囲の状況も変わって(「学校へ行こう!」が終了したのは2008年だった)、「一緒にいること」以外の道も見えてきて、そうしてそれを「選べてしまえる」状況になって、そうして、それでも彼らが「一緒にいること」を選んでくれたのが、この2008年辺りだったのではないかと私は勝手にそう思っている。「家族」みたいに勝手に作られていた「繋がり」じゃなくて、今度はメンバーがみんなで意識的に「繋がり」を作っていったんじゃないか、一からまた「V6」を始めてくれたんじゃないか、なんて、そう思うのだ(そう言えば、「学校へ行こう!」でのV6 10周年の北海道旅行で、岡田さんがデビュー当時の「擬似家族」的な関係性を振り返りながら、「変な言い方をすれば、V6は他人です」と口にしていたのは今思えばとても象徴的だったのかもしれない)。
そうして迎えた2011年の「Sexy.Honey.Bunny!」コンサート。ファンの人気も高いこのコンサートで、私は勝手に安心した。横浜アリーナの片隅で、ペンライトを握り締めながら、ふと、「この人たちは、まだ六人でいることを選んでくれたんだな」と、そう思った。そしてそれと同時に、「もしもいつか、六人が別々の道を行く時は、きっとそれは全員が納得した、最善の結論なんだろうな」なんてことを思った。それはきっと「それぞれの空」で歌われているみたいな、未来に向かうための「さよなら」だと、そう勝手に「確信」していたのだった。
だから、今回の「解散」に関しても、全然ネガティブなイメージはなかったのだ。そりゃあ寂しいけれど、でも、きっともっと前に「解散」だって選べた筈の六人が、それでもこうして26年ずっと一緒にアイドルをしてきてくれて、そして、そんな六人がきっと何度も何度も話し合った結果、解散すると言うなら、きっとそれが一番良い結論だったのだ。六人みんなにとって、そしてV6にとって(だってV6というグループを誰より一番大好きな三宅さんが良しとしたのだ。それ以上に信頼に足る理由なんてない)。
だから私はとにかく彼らにありがとうを言いたい。最後の最後まで最高のアイドルでいてくれてありがとう。って。
思えば私はV6にいろんなことを教えてもらった。V6にハマって「初めて」のことをたくさん経験した。
初めてCDを予約して買ったし(「Orange」だった。お店の人が特典の缶バッチを何故か大量にくれた)、初めてコンビニの「一番くじ」を引いたし(それなりの額を投資して時計をゲットした)、初めてコンサートに行った。
自分の好きなことを誰かと共有して語り合う楽しさを教えてくれのも、他でもないV6だった。
当時は今みたいにSNSもなくて、周りにV6のことで盛り上がれる友人もいなくて、でも誰かとV6のことを話してみたくて。だから、生まれて初めてファンサイトなんてものを作ってしまったのである(実はなんとなく消すのは惜しくて、まだサーバーには残っている)。そこで私は初めて顔も知らない、遠い土地の誰かと交流した。今では普通かもしれないけれど、当時は本当に特別な体験だった。
幸いにも優しい人ばっかりで、そのサイトではすごく良くしてもらった記憶しかない。中には過去の彼らの出演番組をたくさんダビングしたビデオテープを送ってくださった方もいて、本当に感謝しても感謝しきれない。今でもずっと覚えている。
そうして優しいファンの人にたくさん色んなことを教えてもらって、生まれて初めてコンサートにも連れて行ってもらった。そう、コンサートに参戦したきっかけも、サイトでの出会からだった。まだ学生で全然何にもわかっていなかった私は、一人でチケットを取って、一人でコンサートに行く勇気がなかったのだ。
たまたまサイトで仲良くなった方に声をかけてもらって、そうして生まれて初めてアイドルのコンサートに行った。代々木第一体育館。「V6 ASIA TOUR 2010 in JAPAN READY?」だった。これまた生まれて初めてペンライトとうちわを買って、生まれて始めてお手振りをした。
きっと知らない間にたくさん迷惑もかけたと思う。けれど、やっぱりみんな優しかった。色んな方にお世話になって、そうして生のコンサートの良さを知ることができた。
音響が身体に響くあの迫力とか、ペンライトがとっても綺麗なこととか、最後にテープが舞うと、本当に感動するとか(あと、毎回毎回生で見る井ノ原さんのスタイルの良さに恐れおののいてしまうこととか)。
そうしてコンサートを観た後には、どこか良かった、感動した、とか、そういうことをみんなで語り合う。その時間が本当に楽しかった。好きなものを目一杯好きでいてもいい空間は、本当に素敵だ。
V6は「アイドル」の素晴らしさを教えてくれたのだ。正直に白状すれば、かつてV6を知る前の私はどこかで「アイドル」を舐めていた。けれどそんな偏見をぶっ飛ばしてくれたのがV6だった。
「アイドル」だからこそできる表現の幅広さや、見た目だけじゃないパフォーマンスの完成度の高さ。それに加えて、メタ的な視点でグループとしての「物語」を一緒に追ったり、メンバーそれぞれの人間性を知ることで得られる楽しみ。
V6のおかげで、QOLがグンと上がった。
コンサートのために仕事を頑張れたり、辛い時でも彼らのバラエティ番組で笑顔になれたり、好きな曲に元気をもらったり(そう言えば、前の職場でうつを拗らせた時は「スピリット」を何度も脳内で再生していた)。
おかげで毎日がちょっと楽しくなった。
きっと私はこれからも「V6」じゃない「アイドル」を応援して、楽しむのだろうと思う。だって、あんなの知ってしまったら、もう戻れないじゃない。
でも、それでも私が初めて好きになったアイドルはV6だし、きっとこれからもずっと大好きだ。きっと何年経ってもV6の曲がかかると歌ってしまうだろうし、「HONEY BEAT」や「愛のMelody」はお手振りもセットで付いてきてしまうんだろう。
本当にたくさんの素敵なことを教えてくれてありがとう。V6でいてくれてありがとう。
私は今日からも、また、毎日をできる限り楽しく生きていきたいと、そう思うので、だから叶うなら、どうかまた、六人が変わらずに一緒に笑っていることをこっそり教えてくれたら嬉しい(勿論六人の個人の活動は応援するのは当然だけれどね)。
だってもうきっと彼らは「V6」じゃなくても、グループの括りがなくたって、ただの六人としてだって、簡単に「一緒にいる」ことができるのだろうから。きっと彼らは「一緒にいる」ための努力を惜しまない。三宅さんが森田さんとお揃いのカメラを購入したみたいに。解散してすぐの三宅さんのラジオに、長野さんと井ノ原さんの夕焼けドロップコンビが乱入したみたいに。
そうして、またみんなが心地よく笑える距離で、お互いの幸せを願うんだろう。
ファンのことをよおく分かっている三宅さん辺りが、きっとそれを教えてくれるんじゃないかなって、実は大変期待している。
思わず、を装った確信犯でラジオなんかで「この前六人でご飯食べてさ〜」なんて零してくれたり、健スタグラムで剛健ツーショットなんかを載せてくれるんじゃないだろうか。なんならもう軽率に事務所の枠とか飛び越えて、また六人集まってコンサートやっちゃってくれても全然全く構わないです。そんな願望をこっそり秘めつつ、でもいつだって六人が楽しく毎日を過ごしていてくれるなら、それだけでオタクはやっぱり幸せだ。
V6、26年間、本当にお疲れ様でした!ありがとうございました!
そしてどうか今日からも どうぞ 末永く たくさん よろしく!
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