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心理テストよりも「本当の自分」について教えてくれたもの

性格診断テストや相性診断テスト、
そういうものががあると、
思わずやってみたくなるという人も多いのではないだろうか。

自分の診断結果について、
SNSに投稿する人だって多い。

例えば、X(旧Twitter)をやっていると、
たまに変なワードのトレンドが上がってくる。

「一体、何があったの?」
「何か炎上でもしてるのか?」

そう思ってチェックしに見に行ったら、
「○○診断メーカー」という性格テスト関連のものだったりする。

「あなたを○○に例えるなら」

こんな感じで、
ちょっとネタも織り交ぜながら、
面白く診断してくれるものだから、
SNSでもよくシェアされるのだ。

「人間は機械じゃないんだから、
簡単に動きを予測して対処するなんて難しい」

そう感じる人だっているだろうが、
コミュ障が問題になりやすい発達障害の人にとっては、
いかに相手をうまくパターン化して対処できるようにするかは、
他人とやり取りする上で死活問題だったりする。

「いい子」であり過ぎたせいで自分を見失い、
自分のことも他人のこともよく分からなかった私が、
本当の自分を知って他人も理解できるようになるまでの体験を
まとめてみた。


自分や他人のトリセツが欲しい

「もしも地雷を踏んでしまったら・・・」

思ったことをそのまま言ってしまい、
相手を不機嫌にさせてしまうこともあった自分にとって、
自分の身を守る一番安全な方法は、
「とにかく何も言わない」だった。

人間関係を一撃で崩壊させてしまいかねない地雷は、
どこに埋まっているか分からない。

あらかじめ埋まっている場所が分かれば、
そこをうまく避けるという方法もある。

だが、人によって地雷が埋まっている場所なんてバラバラだから、
その人に対して言ってはいけない一言を把握するのは、
たいてい難しい。

コミュニケーションというと、
自分と他人とのやり取りを思い浮かべる人がほとんどだろう。

意外と見落としがちなのが、
「自分とのコミュニケーション」だ。

ひたすら「いい子」でいようとした人ほど、
周囲から気に入られようと自分を押し殺してしまう。

そうなると、自分とちゃんと向き合えていないものだから、
「自分は何をしたいのかわからない」
「自分のやる気をうまくコントロールできない」
といったように、
受け身で流されやすい状態になってしまう。

「自分や他人の”トリセツ”みたいなものがあれば楽でいいのになぁ」

ASDの人ともなると、
ちゃんとした手順が定められていないと
うまく対処できないというケースが多い。

マニュアルのようなものがあれば、
それに従って動けばいいわけだから、
どうすればいいのか分からずに混乱してしまうことも少なくて済む。

だからなのか、
コミュ障で悩む人は、脳科学や心理学といった
再現性のある科学的な方法に頼る人が多い印象があった。

実際に私が過去に参加したことのある心理系のセミナーでも、
コミュニケーションが苦手という人が多かった。

MBTIをやってみたら

占い好きな人であれば、
血液型性格診断や星座、四柱推命あたりで相手の性格を把握して、
相性やどう付き合っていけばいいのかを判断することも多いだろう。

その中でもnoteの記事を書いていて、
最近私がよく見かけるようになったのが、
ユング心理学をベースに作られたらしいMBTIと呼ばれるものだった。

noteを書いている人にはINFPと呼ばれるタイプの人が多いのか、
note上ではこのタイプの人が書いたという記事を見かけることが多かった。

その記事を読んでいると自分にも当てはまる部分が多く、
「たぶん自分もINFPなんじゃないか」
と漠然と感じるようになった。

内向的な性格で争いを好まず、
神秘的なものに興味がある繊細さん。
この特徴に一番当てはまるのがINFPだったから、
自分もそうなんだろうと思っていた。

「実際に受けてみたらどうなんだろう」

がっつり特徴が当てはまっているとはいえ、
実際にMBTIを受けたわけではない。

そこで、試しに受けてみて、
本当にそうなのかを確かめてみることにした。

結果は、なんとINTJ(建築家タイプ)だった。

「・・・まぁ、母親方の祖父は大工だし、
建築家タイプだと診断されても、違和感はないな」

MBTIの結果は、
時間が経って再受験すると変わることもあるらしい。

自分が思っていたものとは違うものが出てきたことで、
あらためて「人間の心理って、難しいよなぁ」と
しみじみ感じていた。

ちょってテストをして、あなたは○○タイプねと簡単に決めれるくらい
人間の性格は単純なものではないのだ。

「one of them」と「only one」

ところで、数多くある心理テストは、
一般的に統計学的なデータに基づいて作られている。

心理テストを作る際には、
たくさんの被験者のデータをもとに、
質問内容やその答え、性格との関連性を調べ上げ、
相関関係があるものを洗い出して整理していく。

そうして、ある質問に対して、
どういう回答をすれば、
その人はどういった性格かといったことが
推測できるようになるのだ。

でもよく考えてみると、
ちょっと違和感が出てくる。

質問に対するパターンが一致するからといって、
「他のみんながそうだから、あなたもそうですよね」
と果たして言えるだろうか。

回答パターンが一致するとそのグループの中の一人としてみなされ、
one of themの状態、つまり、
「大勢の中の一人」という解釈になる。

これでは、「この世界にたった一人のかけがえのない存在」、
つまり、only oneな自分について知ることは難しいのではないか。

他の誰にもない、自分だけの強みについて知ろうと思えば、
心理テストでは限界があるような気がした。

それに加えて、他人を理解する時にも、
「この人は、○○タイプ」というように
型に当てはめて理解しようとするのにも限界がある。

特定の型に当てはまったからといって、
その人の行動パターンを完璧に予測できるというわけではなく、
状況によってだいぶ変わってきたりもする。

他者理解で大事になってくるのが、
先入観にとらわれずに相手の「ありのまま」を見れるようにすることだ。
だが、これは簡単なように見えて、実は結構難しい。

人間にはアンコンシャス・バイアスと呼ばれる無意識の思い込みがある
とういことが分かっていないと、
変な決めつけをしてしまってトラブルになりかねないからだ。

本当の自分について知ったきっかけ

今でこそ私はライターとしても活動しているが、
もともと文章を書くのが得意だったわけではない。

むしろ作文力は壊滅的と言ってもよく、
「書いていることが抽象的過ぎて、
何を言いたいのか全然わからない」
とか言われるような状態だった。

そんな私に転機が訪れたのが、
高校生の時に書いた読書感想文だった。

いつもだったら、たいした感想なんて浮かんでこないところだが、
その時はどういうわけか、自分の書きたいことが浮かんできた。

国語の先生から「上手く書けている」と褒められたのがきっかけで、
自分には文章を書く才能なんてないという思い込みが解けたのだ。

発達障害の人はポンコツ扱いされてしまうことが多いから、
自分は何をやってもダメだと思い込みやすい。

それでも、ふとしたことがきっかけで
「すごいね」と言ってもらえることだって出てくる。

そんな時に、「たまたま上手くいっただけだ」と思わずに、
「もしかしたら、これが自分の才能なのかも」と思えるかが
大事だと思っている。

欠点は自分では気づきやすいが、
長所は自分では分かりにくいものだ。
長所については、自分では自然にできてしまうから、
自分にとっては「できて当然」くらいの感覚しかない。

自分にしかない強みについて知るには、
ポジティブなフィードバックをしてくれる人の存在というのが、
とても大事になってくる。

自分が褒められた体験を振り返ることで、
心理テストでは気づくことができない
only oneな強みに気づくことができるのだ。

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