接触式温度計の精度確認について②

HACCPなどで温度計の確認の方法で紹介されている、沸点を利用して100℃を確認する方法を実際にやってみる。

JISZ8710:1993 温度測定方法通則などでは、容器内で水を沸騰させその温度を測るとあるが、実際に鍋などで沸騰させた水の温度を測ると、100℃より大きな値がでる、あるいは場所によって温度が大きく変わり安定して測定できないなどの問題に直面する。
コンロなどで沸騰させている場合、火の輻射、鍋壁面からの放射などで正確な沸点を実現するのは難しい。

なので実際には電気ポットやケトルを用いる
ケトルなどは100℃に達する前に加熱を止めてしまうものや、沸騰後すぐに加熱をやめるものなどがあり測定には向かない。
今回は安物の電気ポットのサーモスタットをいじり、常に沸騰させ続けるよう改造したものを用意した。

使用している温度センサーは直径約4mmなので15D程度の浸漬深さとなるようにお湯につける。
浸漬深さがたりないとシースからの放熱で測温部が測定部を温度をしめさない場合があるので注意が必要。
おおよそ100℃を示しているが、ポットの壁面に巻かれたヒーターの影響もあり、壁面近くにセンサーを移動させると0.3℃ほど大きな値を示すようになる。
中心部で浸漬深さを維持したまま保持するのは面倒で再現性が悪いので、
ポットの蓋をしてしまい、注ぎ口にセンサーを差し、水蒸気の温度を測る方が楽である。

蓋を閉じることでポット内の圧力がわずかに上昇するが、注ぎ口が開放状態であり、あまり影響はないものと考えるが、実際には内部の圧力測定をしたほうがいいだろう。

水の導電率は25 μS、気圧は1025 hpaだったので、これも沸点に0.1℃以上の偏りは生じさせないはず。

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