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佐賀市の治水

こんにちは!いなば嵩広です。
今回は市長選でも討論の対象になっている佐賀市の治水について私なりの考えを書き綴りたいと思います。

佐賀の治水の歴史

佐賀市は古くから「照れば干魃、降れば洪水」と言われ、水不足や雨の被害に悩まされていた歴史があります。約400年前、初代藩主の鍋島勝茂の時代に家老として支えていた成富兵庫茂安は佐賀城と城下町、田畑へと水を送るために嘉瀬川に取水施設を設け、水不足や洪水を防ぐ事に成功しました。この取水施設は日本最古のもので、成富兵庫茂安は日本の歴史上で治水の神様と呼ばれています。そして、彼が築いた佐賀の治水、水利体系は今もなお受け継がれています。

佐賀平野の特徴

そんな歴史を持つ佐賀の治水ですが、地理的条件によって今もなお雨の被害に悩まされています。佐賀市北部の山間部に降った雨はほとんど勾配のない佐賀平野を伝って有明海へと流れていきます。佐賀平野は勾配がないだけでなく、海抜0メートル以下のエリアも多く、降った雨をスムーズに有明海へと流すことが難しい地形です。

治水計画の基本

佐賀市における治水計画の基本は「降った雨をいかに早く、スムーズに有明海へと流すか」です。そして、有明海の満潮時や集中豪雨によりスムーズに雨を有明海へと流せない時にポンプによる「排水」と遊水地やクリークを利用して降った雨を「貯める」という計画をしています。

治水計画のアップデート

河川を利用した「流す」、ポンプを利用した「排水」、遊水地やクリークによる「貯める」この3本柱で佐賀市の治水、排水計画はされています。しかし、近年では想定以上の雨が降る機会が増え、この3年間で2度も大雨の被害に遭ってしまいました。この被害を防ぐためには、この3本の柱をもっと太くする必要があります。河川の拡幅や、ポンプの増強、遊水地の増設などを行い、現代の異常気象に対応しなくてはなりません。
佐賀市では令和元年の豪雨災害を受けて、今までの排水計画改訂版を制作しました。この排水計画に沿って進めれば浸水エリアは現在の半分にまで抑えることが可能とシュミレーションされています。この計画に最新のデータ活用技術を利用すればより効果を得る事ができるかもしれません。
つまり、治水排水計画の更なるアップデートが求められています。

議員として出来ること

市長や行政が素晴らしい治水排水計画を策定しても、そこにしっかりと予算が付かなければ絵に描いた餅で終わってしまいます。議員に必要とされるのは、治水排水計画をしっかりと理解をした上で、優先順位が高いところに予算を付けるように要求し、迅速に効率的に進めるよう提言をする事です。

終わりに

「流す」「貯める」「排水」の3本柱を太くするハード整備はしっかりと行わなくてはなりません。そして、普段から災害に備える為の備蓄や避難計画の確認などのソフト施作も必要です。
さらには「貯める」の機能を果たすクリークの清掃は市民活動として積極的に参加をする必要がありますが、市民の力だけではどうしようもないエリアもあります。そういったところにも行政の力でサポートを行なってもらうように提言をしていきたいと思っております。

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