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漢方:補気建中湯 (ほきけんちゅうとう)は腹水などの浮腫みに使える?

腹水とは?

まず腹水とは、腹腔内に異常な量の液体が蓄積する状態を指します。正常な状態では、腹腔内にはわずかな量の腹水が存在しますが癌などの炎症や、肝硬変などの肝臓疾患で血漿タンパク質のアルブミンの産生が低下した時などに腹腔に発生する水を腹水と呼んでいます。

補気建中湯 (ほきけんちゅうとう)とは?

”補気建中湯 (ほきけんちゅうとう):多くはお腹や全身に溜まった水(漢方でいう水毒)の治療に使用される漢方薬です。水液代謝の異常である腹部や全身に溜まった水には、元気な時期では西洋医学の利尿薬を用いることができますが、元気が衰え虚弱になったものには、あまり適していません。そんな時に用いるのが補気建中湯です。”

https://www.kegg.jp/medicus-bin/japic_otc?japic_code=J1001000008

補気建中湯だけで腹水は減るのか?

お腹や全身に溜まった水(漢方でいう水毒)の治療に使用される漢方薬と言われている補気建中湯ですが果たして、それだけ飲めば腹水は減らせるのか?ですが、私はそうは思っていません。

その理由としては、腹水が溜まる原因は炎症性のものから漏出性のものもあり、原因が様々、また患者の体質なども千差万別で異なります。漢方では特に八綱弁証など、表裏、寒熱、虚実、陰陽などの考えが加わり、様々な組み合わせを行う為、腹水が溜まっているから、それを飲めばいいと言う考えだけでは対策が難しいと考えます。

どうすれば腹水対策が漢方で可能なのか?

病院の治療と合わせながら漢方を利用するのが良いと考えます。また先程も書いたように漢方は体質によって使い方や組み合わせ方が各々異なるため、漢方で腹水を減らす対策を考える場合は、まず腹水の相談を専門的に行っている薬店などに、相談してから漢方の組み合わせを考えていただく事で腹水対策が可能になってくると思います。

腹水の東洋医学的な考え


腹水は、腹部に余分な液体がたまる状態を指します。東洋医学では、腹水の原因や治療について独自の理論があります。以下は、東洋医学の視点からの考え方になります。

気血循環の乱れ: 東洋医学では、気と血の流れが滞ることが病気の原因とされます。腹水が発生する場合、気や血の流れが滞っている可能性が考えられます。治療のアプローチとして、鍼灸療法や漢方薬が使用されることがあります。

脾胃や腎の不調: 腹水の原因として、腎や脾胃の機能不全が挙げられることがあります。脾胃や腎は東洋医学で消化や代謝に関与する臓器であり、その調和が乱れると水分の代謝に影響が及ぶ可能性があります。

体液代謝の不足: 東洋医学では、体液(津液)の生成や代謝の不足が腹水の原因とされることがあります。これに対して、湿邪を排除し、体内の水分代謝を改善するための治療が行われることがあります。

治療法には、鍼灸、漢方薬、食事療法、気功、などが含まれることがあります。ただし、腹水の原因は多岐にわたるため、西洋医学の診断と組み合わせて治療が進められることがよくあります。

東洋医学的に腹水の治療を始める場合

東洋医学的治療は、体質の調査から始まり、陰陽のバランスを整える食事療法や漢方などを用いて体全体の機能を改善します。健康管理と生活指導も重要であり、個々の症状や体質に合わせたアプローチが必要です。そのため専門家への相談が重要になってきます。


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