ある街
最近よく聴くラジオ番組がある。
それは作家のロバート・ハリスさんがDJを務める『大人のラジオ Alexandria』。
元々はInterFMの番組で、のちに全国ネットされている。自分の住む地域では平日のお昼12時から聴くことができる。
ハリスさんは日本人なのだが、イギリス系のクォーターらしく、その美声からもなんとなく雰囲気が伝わってくる。話も興味深く、昨年の夏に聴き始めてからあっという間に惹き込まれてしまった。横浜生まれで若い時から海外を渡り歩き、オーストラリアのシドニーでは十数年の間ブックショップを経営していたという。
私自身、中学生の時に学校の研修旅行でシドニーを訪れたこともあり、そういった意味でも勝手に親近感を覚えている。
この番組の人気コーナーでもある「セルフポートレート」では、ハリスさんがこれまで経験した出来事を中心に語られている。オーストラリアの話も時たま出てきて、それを聴いているうちにまた行きたくなっている。
私が当時訪れたのはシドニーのほか、シドニーから北へ数十キロ離れた沿岸にある、ゴスフォードという街だった。大きな入り江を囲むように街が広がり、対するように街の背中側はユーカリの森に囲まれ、緑の多いとても綺麗な所だ。日本では見ることのない煉瓦造りの建物が並び、静かな街ながら自分自身にとって見るものすべて刺激的だった。
研修の一環として現地のご家庭にホームステイさせてもらい、数日間オージーそのものの生活を送った。朝はホストファミリーに街外れにあるクリスチャンカレッジまで送ってもらい、そこでは英語の授業を受けた。別の日には現地の生徒たちとサッカー。そのあとはBBQをした記憶がある。
学校の近くにはガソリンスタンドに併設されたセブンイレブンがあり、そこで赤い蛍光色に近いスポーツドリンクを買った。
日本には売っていないドリンクで、興味本位で買ったのだが意外と口に合ったのを覚えている。夜にはホストファミリー夫妻からステーキハウスに連れられ、ステーキをたらふくご馳走になった。『LoneStar』とネオンサインが掲げられたテキサス風のお店で、木の床には客の食べたピーナッツの殻がそのまま捨てられている。歩くたびにバリバリ音がしていて、自分たちも面白がって食べた殻をゴッソリ捨てまくった。
ある時はイオンのような巨大なショッピングセンターに併設された映画館に連れて行ってくれた。そこで観たのは当時公開されたばかりの『アナコンダ』。当然ながら全て英語で、内容をほとんど理解していなかったが、とにかくアナコンダが怖かった。元々蛇嫌いだったのだが、アレによってさらに増強されたと思う。
最近になり、ふと思い立ってゴスフォードの街をGoogleMap上で見てみた。空からの景色は当時見た美しい印象そのままで、とても懐かしく嬉しく感じた。ホストファミリーのゴードンさん夫妻は元気だろうか。
いつかまた訪れてみたい。
ロバート・ハリスさんのラジオ、そして"#どこでも住めるとしたら"の話を書こうと思ったけど、すっかりとりとめのない話になってしまった。
ハリスさんの番組は私が語るまでもなくとても楽しいので、ぜひ聴いてみてください。
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