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注射は怖くない

子どもでも希望をすればコロナワクチンが打てるようになった。また、例年冬の時期は、インフルエンザの予防接種の時期でもある。

小さな子どもがいる家庭では、さまざまな予防接種を受ける。痛いから注射で泣くのは仕方ないと思いつつも、できれば泣かないでもらいたいと思う親は多い。

今から2、3年前に子どもを連れて小児科に行ったときのこと。小学校3、4年生くらいの男の子が注射を受けて、診察室から泣いて出てきた。

男の子のお母さんは恥ずかしいのか情けないのか、男の子を叱りつけていた。
「もうお兄ちゃんなんだから泣かないの!」

その様子を見ていて、わが子は4、5才くらいから注射で泣くことがなくなったことに気付いた。反対に看護師がびっくりするくらい、注射をされる瞬間をじっくりと見ていることもある。

そんなわが子も物心がついてからは、注射をされるとギャンギャン泣いていた。しかし、あることがキッカケで泣かなくなった。

妻の一言

私は定期的に内科に通っている。妻は土曜日も仕事の日があるため、子どもを連れて病院に行くこともしばしばある。

内科では半年に一度採血を行うのだが。その日も子どもを連れて内科へ向かった。

妻が仕事に向かう前に、我が子に対して「パパが泣かないか見てきて」と言った。その言葉を受けて、子どもは私が採血をしているあいだ、針が刺さる瞬間、私がどんな表情をしているのかじっくり見ていた。

このあとも何度か内科に連れて行き、採血する場面も見せていた。目を離さずに注射する瞬間を凝視している子どもを見て、採血をしてくれた看護師のほうがビックリしていた。

客観視できたのが良かった?

妻が家に帰ってきてから、娘に尋ねた。
妻「パパは泣いていなかった?」
子ども「うん、泣いてなかったよ」

妻の一言があったので、子どもは家では見ることができない私の姿をしっかりと見ようとしていた。

客観視できたことで、注射を刺した瞬間がほんの一瞬であること、実はたいしたことではないのでは、ということに気付いたのかもしれない。パパが耐えられるのだから、自分もできると思ったのかもしれない。

2、3回、私が採血しているところを子どもに立ち会ってもらってから、予防接種で泣かなくなった。「痛くなかった」「全然平気!」と話してくるようになった。

コロナ禍で難しい状況だが

注射が嫌いな子どもであれば、自分がインフルエンザの予防接種を受けている姿、献血をしている姿などを見せるのもいいと思う。できれば、一度だけでなく、二度三度とあったほうがいいだろう。

家のなかだけでなく、仕事をしている姿、普段子どもの前で見せることがない親の姿を見せることも大切であると思う。今はコロナ禍のため、子どもを連れて行くには難しいだろう。

それでもできる範囲内でやってもらいたい。「百聞は一見にしかず」子どもにしてみれば、目の前で起きていることが全てである。

親の注射姿を見せることで、冒頭に書いた小児科で見かけた母親のように、恥ずかしいから怒る、情けないから怒るということをしなくてもよくなるだろう。

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