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PANAMAMANのお蔵出し~浜松町・田町↔新橋編・有楽町編

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都内の食べ歩きなどなど、趣くままに書き留めています。
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#大門

BARってなんだろう「クエルクス (QUERCUS)」大門

BAR、バーである。バーってなんだろう。木のカウンターとグラスと、バーテンダー。バーで小粋にお酒を愉しむ人って、本当に存在するのだろうか。酒とたっぷりのつまみがないと楽しめない性質なので、遠い国のおとぎ話のような存在だ。 ゆえに、一度は行かないと。 ある日思い立って、バーに行くことにした。大門の、駅から少し離れたところにあるクエルクス。 ことらのバーでは、地元の会社員たちが気軽に立ち寄ることでも知られている。浜松町から大門にかけて、「元」赤坂プリ〇スのバーテンダーでした

なにこれやわらかい「正泰苑」 芝大門

焼き肉店に初めて行ったのはいつ頃ですか?おそらく、多くの人たちは子供のころ、家族と連れ立って行ったのがはじめてではないか。私がはじめて焼き肉店らしい焼き肉店に行ったのは、二十代半ばだった。何故かわからないが一族そろって「焼肉屋に行く」ということがなかったのだ。 以来、おなじみの焼き肉チェーン店などで経験を重ねていく。ねぎタン塩の焼き方だとか、ニンニクをホイルに入れて油と「ぐずぐずするやつ」だとか、チョレギサラダだとか。ひととおりの日本の焼き肉店の作法を「にわか」で習得するこ

小籠包は戦場を駆ける「新亜飯店」大門

新亜飯店をこの世に知らしめたのは、ある有名な作家の先生ではないか。先生が皆にお勧めしたのはいわゆる上海蟹の方だったが。 こちらのお店は大門駅の出入り口近くにある。細長い、間口の狭いビルの一階に、その週のランチなどのメニューを記した赤色のボードが飾ってあって、いかにも中華レストランの風情を醸し出している。 先生のお勧めする上海蟹は、なるほど季節の風物詩であって、グルメな人々はこれを目当てにやってくるのだろう。しかし、しかし、上海蟹を愉しむ人々、というのはごく一部のセレブリテ

手打ちにせざるを得ない大門「集来」

世の中には、かなりの確率でひねくれた人がいる。たとえば、焼酎専門店でビールばかり頼んだりする人。クラフトビールの店で、スーパードライを飲み続ける人。冷酒を飲み切れず、「熱燗にして」と言ってしまう人。 大門駅からすぐ、ビルの奥まった一角に「集来」はある。食べログか何かでよくよく地図を調べておかないとわかりにくい場所だ。「こんな場所に名店があるはずない」と、ひねくれた視点で街を探すのがコツだ。そして、この大門の老舗中の老舗には、ひねくれたお客が来るようなのです。 手打ちか、手

大門・浜松町名店味めぐり「秋田屋」

浜松町駅北口から東京タワーに向かって歩いていくと、秋田屋のビルが目に入ってくる。私が初めて浜松町の街に降り立って、秋田屋を訪れたときには、秋田屋は近隣の別の場所で仮営業をしていた。 煮込みとうふと氷頭なますとにらのお浸し、焼きとんはレバー、ハツ、たたきをたれで。 仮営業のころから頼むものは変わっていない。いや、メニューはそんなに多くない、多くないが一品一品の重みが半端ない。どの品にもげんこつで下腹にきついの一発、くらわすようなインパクトがある。関西方面の軽やかな居酒屋文化