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PANAMAMANのお蔵出し~浜松町・田町↔新橋編・有楽町編

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都内の食べ歩きなどなど、趣くままに書き留めています。
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#ビール

なにこれやわらかい「正泰苑」 芝大門

焼き肉店に初めて行ったのはいつ頃ですか?おそらく、多くの人たちは子供のころ、家族と連れ立って行ったのがはじめてではないか。私がはじめて焼き肉店らしい焼き肉店に行ったのは、二十代半ばだった。何故かわからないが一族そろって「焼肉屋に行く」ということがなかったのだ。 以来、おなじみの焼き肉チェーン店などで経験を重ねていく。ねぎタン塩の焼き方だとか、ニンニクをホイルに入れて油と「ぐずぐずするやつ」だとか、チョレギサラダだとか。ひととおりの日本の焼き肉店の作法を「にわか」で習得するこ

お店の味をご自宅で「上海餃子 りょう華」三田

三田駅から慶応義塾に向けて歩く道すがら、少しわき道に入ったところに、りょう華がある。コロコロとかわいい餃子と鳥しおラーメンが有名な、学生や会社員のサク飲みによく使われる、街の気さくなお店だ。 家で餃子を作るのは…心身ともに健康で意気揚々ならば楽しいだろう。しかし、自粛続きの今の世では、このちまちました作業がちと苦しい。ましてや、「上海餃子」などと名乗ったお店の餃子を真似するなんて…前日の晩から冷水に白菜を浸けて置くところから始めないといけなくなってしまう。そんなことは専門店

受け継がれるロックテイスト「味芳斎 本店」

味芳斎本店は、芝大神宮の参道にある、やってるよ、の看板で地元民におなじみの中華屋だ。やってるよ、のふざけた文字は、だれによるものか聞いたこともないが、私の想像では、前の店主のものではないか。 ずいぶんいい年になってからも、本店の椅子に腰かけて無駄話に花を咲かせていた、前の店主…おじいさんがいたのだ(もういない)。 前の店主のころはめちゃくちゃだった。まず、店内にはヘアヌード写真を…いろんなものをもろだしに出したカレンダーをべたべた張り付けていた(そんなのどこで手に入るのか

大門・浜松町名店味めぐり「秋田屋」

浜松町駅北口から東京タワーに向かって歩いていくと、秋田屋のビルが目に入ってくる。私が初めて浜松町の街に降り立って、秋田屋を訪れたときには、秋田屋は近隣の別の場所で仮営業をしていた。 煮込みとうふと氷頭なますとにらのお浸し、焼きとんはレバー、ハツ、たたきをたれで。 仮営業のころから頼むものは変わっていない。いや、メニューはそんなに多くない、多くないが一品一品の重みが半端ない。どの品にもげんこつで下腹にきついの一発、くらわすようなインパクトがある。関西方面の軽やかな居酒屋文化