マガジンのカバー画像

PANAMAMANのお蔵出し~浜松町・田町↔新橋編・有楽町編

20
都内の食べ歩きなどなど、趣くままに書き留めています。
運営しているクリエイター

2020年4月の記事一覧

手打ちにせざるを得ない大門「集来」

世の中には、かなりの確率でひねくれた人がいる。たとえば、焼酎専門店でビールばかり頼んだりする人。クラフトビールの店で、スーパードライを飲み続ける人。冷酒を飲み切れず、「熱燗にして」と言ってしまう人。 大門駅からすぐ、ビルの奥まった一角に「集来」はある。食べログか何かでよくよく地図を調べておかないとわかりにくい場所だ。「こんな場所に名店があるはずない」と、ひねくれた視点で街を探すのがコツだ。そして、この大門の老舗中の老舗には、ひねくれたお客が来るようなのです。 手打ちか、手

夢の途中「ドリームファクトリー」

窯焼きのピザというのも因果なもので、窯焼きがそうも珍しくもなくなった今では、お店のほうも「窯焼き」というその触れ込みだけでは生き残っていけなくなっている。 しかし、こちらのドリームファクトリーでは、薪をつかった大きな窯で旨いピザを焼く、そのことをアピールしなさすぎである。そんなんで大丈夫か? 前には白髪の名物親父がむすっと不愛想な顔で大きなマルゲリータを焼いてくれていたのだが、引退されたのか最近は見かけない。 その昔、私が何の気なしにテレビのニュースを見ていたら、浜松町

受け継がれるロックテイスト「味芳斎 本店」

味芳斎本店は、芝大神宮の参道にある、やってるよ、の看板で地元民におなじみの中華屋だ。やってるよ、のふざけた文字は、だれによるものか聞いたこともないが、私の想像では、前の店主のものではないか。 ずいぶんいい年になってからも、本店の椅子に腰かけて無駄話に花を咲かせていた、前の店主…おじいさんがいたのだ(もういない)。 前の店主のころはめちゃくちゃだった。まず、店内にはヘアヌード写真を…いろんなものをもろだしに出したカレンダーをべたべた張り付けていた(そんなのどこで手に入るのか

大門・浜松町名店味めぐり「秋田屋」

浜松町駅北口から東京タワーに向かって歩いていくと、秋田屋のビルが目に入ってくる。私が初めて浜松町の街に降り立って、秋田屋を訪れたときには、秋田屋は近隣の別の場所で仮営業をしていた。 煮込みとうふと氷頭なますとにらのお浸し、焼きとんはレバー、ハツ、たたきをたれで。 仮営業のころから頼むものは変わっていない。いや、メニューはそんなに多くない、多くないが一品一品の重みが半端ない。どの品にもげんこつで下腹にきついの一発、くらわすようなインパクトがある。関西方面の軽やかな居酒屋文化