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現役教師が語る『クラス替え』のアレコレ

ひとつの学年が終わり、次の新たな学年への準備に入るこの時期。
学生の皆さんが興味津々になるのは「次のクラスがどうなるのか?」だと思います。また、学生でなくてもクラス替えがどのように行われているのかは教育関係者以外はほとんど知らないと思います。

今回はあくまでも”私が経験した”クラス編成会議での内容を語ってみたいと思います。

クラス替えの内容があまり知られていない理由

クラス編成基準があまり知られていないのはなぜでしょう?編成会議の内容には守秘義務があり、クラス発表前に生徒に知られてしまうと懲戒の対象となるからです。新しい担任も同様です。次の学年で誰がどのクラスで誰が担任なのかを知られてしまうとその情報源となった教員は守秘義務違反で懲戒の対象となります。

しかし、それはクラス編成の結果についてであってその基準などには守秘義務はありませんのでこうして語ることができます。

ただ、知られすぎるのも保護者や生徒からの多種多様な要望が出てくる可能性があるので先生たちはあまり口に出さないのでしょう…
私の話も、大体こんなもんかぐらいで聞いてもらえると助かります笑

ちなみに、高等学校での話です。

どうやってクラスを決めるのか

これは小規模校と大規模校で少し異なります。
1学年が2〜5クラス程度の小・中規模校の場合、担任の先生と学年主任が会議室にこもって一から編成します。

1学年が10クラスを超えるような大規模校ではそのような作業を初めからやっていると収集がつかなくなるので、パソコンでとりあえずランダムに編成した原案を見て、そこから調整をしていく形になります。

クラス編成の基準

高校の場合最初に基準となるのは「選択授業」「評定」です。
高校の場合多くの学校で生徒が希望して選択する選択授業があると思います。その選択授業の人クラスあたりの人数が均等になるようにします。これは時間割編成の際に重要になってきますので優先順位は高いです。

また、クラスごとに考査の平均点などにばらつきが出ないように、クラスの評定平均がほぼ均一になる様にします。
*特進クラスがあったり、意図的に成績順のクラス編成をしているところもあります。

精神的に不安定な生徒・イジメ

次に重視されるのは精神的に不安定な生徒やイジメやそれに近い行為が行われている生徒の人間関係の確認です。

精神的に不安定な生徒にはそれをケアできるような生徒と一緒にしたり、今のクラスでイジメがある場合などは必ずその生徒同士を離します。
可能であればできるだけ離れたクラスにしたりもします。隣のクラスだと結局同じことになっていたりするので…

仲のいい友達とは離される?

これは一概にそうとは言えません。
基本的には仲がいいからと言ってクラスを離すことはありません。
しかし、仲が良すぎて授業中にうるさくしてしまった事があったり、休み時間に何か先生に注意されるような行為を行なっていたりした場合には、「こいつとこいつをくっつけるとややこしい」と言う印象になりクラスを離した方が良いという判断になります。

彼氏・彼女とは離される?

これははっきり言えます。確実に離されます!
理由は同じクラスにしてクラスの風紀が乱れる可能性があることと、学習に集中できない可能性があるからです。

ただ、ホンネを言うと同じクラスで付き合っていた生徒が別れた時に、クラスの雰囲気が最悪になるのが個人的には最大の理由です…

マジ勘弁してほしい…

その他の基準

・運動神経のバランス(部活加入率)
・リーダーシップ・ムードメーカーとなる生徒
・教員がもう一年面倒見たいと希望した生徒
・学習に意欲的な生徒
・苗字が同じ生徒


小学校・中学校の場合だと他にも要素がいっぱいあったり、高校でも学校ごとに基準が違ったりしますが大体はこんなところでしょうか?

教員側が注意深くなっているのはやはり、人間関係です。
10代の生徒にとって1年間同じ空間で1日の大半をともに過ごすことになるクラスですから、その点は注意深くなります。

よく生徒や保護者からクラス編成についての希望を言われたりします。
個人的にはとてもありがたいです。

教員だけでは気づかなかった人間関係が見える場合もあるので参考になりクラス編成に反映する場合も多いです。

クラス替えについて何か希望がある場合はダメもとでも先生に伝えてみましょう!保護者の方も遠慮せず担任の先生に相談してみましょう!
100%反映されるかは分かりませんが、その意思が分かった上でクラス運営をするのとそうでないのとでも大きく変わる部分もあります!

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