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公立校と私立校の違い.その2(*私見)

私立校は1つの企業

公立校と私立校のもっとも大きな違いは、私立校は経営のために生徒を集めなくてはならない点である。

よくネット上の私立高校のHPには「〇〇大学合格△名!!」みたいなことが大々的に宣伝してあったりする。それに対して別の学校口コミサイトみたいなところでは「生徒を商品としか見ていない」などと書いてあったりする。

はっきり言うと、生徒は顧客であり新たな顧客(受験生)を確保するための商品であることに間違いはない!

こんな言い方をするとバッシングを受けそうだが、私立高校が法人として存在している限りこの構造は当然である。
公立校の場合は学校運営は税金で賄われており、受験生が多かろうが少なかろうが学校単体の経営としては何の問題もない。

しかし、私立校の場合は受験生の増減はそこに働くすべての職員の死活問題であり、給料や待遇に直結してくる。一人でも多くの受験生を確保するために学校の評判を上げる。そのためのもっとも良い宣伝方法は”生徒の成長”を宣伝することである。

なので生徒が商品という考えは間違っていない。
しかし、ここでいう”商品”というのは目に見える形の宣伝材料のことを指す。

実際には、学校には「建学の精神」というものがある。これはその学校の教育目標や育てたい生徒像などを指す。私立校の本当の商品は「建学の精神に基づいた教育を提供する」というサービスである。
しかし教育関係者ではない人に「建学の精神」と言っても知らない人がほとんどだろう。そしてそのサービスは実際に3年間教育した結果を見てもらわなくてはアピールできない…
(すごいでっかい夢を語っているのに何も結果を出してないし行動していない人って信用できませんよね?)

そこで、「我が校の『建学の精神』に基づいた教育をおこなった結果こんなにも生徒が成長しました!」という風な宣伝になるのです。
法人であるのでもちろん宣伝はします。経営をしなくてはならないので。

実際の教員は”経営”を嫌う

初めに述べたように私立校は法人であり企業です。そのためそこで働く教員は社員です。

しかし、実際の私立校の教員はその事実をすごく嫌います。特に教育学部や教育大学を卒業し、その後すぐに教員になったような人は進学実績を出すように上から言われることや、広報で生徒を使うことをすごく嫌います。

「自分は教育者としてここに来たんだ!」「お金儲けをしに来たわけではない!」みたいなことを思っているんでしょう。

確かに、教員の間では”お金”の話は何となくタブーのような雰囲気があります。お金のためではなく生徒のために教育をしているんだと言わんばかりに。

もちろん教育者として”生徒”のことを第一に考えて一人一人の進路実現のために働くことは一番重要です。しかし、私立校に勤務しているのであればある程度”お金”について考えるのは職員として当たり前の責務であるはずです。

自分の学校法人がいかに生徒が集まるようになるのか、どうすれば社会的な評価が向上するのかなど、一般企業であれば当たり前に考えることを私立教員もしなくてはなりません。

それを普段の授業などで生徒に押し付けるのは間違っていますが、単なる教員ではなく企業人として勤務する職員としての姿を生徒に見せることや、学校法人の”経営”の中に生徒も巻き込んで一緒に法人を作り上げていくような活動ができるのは私立校の強みではないですか?

これから私立の教員になろうとしている人は、私立校では単なる”教員”では役不足になることを理解しておく必要がある。
また、これを読んでいる私立校在学の生徒がいれば、自分を”商品”にされているだけの人形のままでいるのではなく、インターンに来たつもりで「自分がこの法人の利益を倍増させてやる!」ぐらいの勢いで学校生活を送ると学校の見方が少し変わるかもしれませんよ。



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