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教師だって悩んでる〜授業ってこんなんでいいの?〜

みなさんには思い出に残っている授業ってありますか?
派手な実験をした授業、心に響いた授業、逆にめちゃくちゃ分かりにくかった授業…
そのどれもが多かれ少なかれ時間をかけて作られた授業だったと思います。

公立の場合、新任の教師には一人につき一人ベテランの指導教員というものがついて約一年間授業などの指導をしてくれたりします。私の学校でも制度としてあるわけではないですが、新任の教師には何となく面倒を見る係みたいな先生が横にいたりしてくれます。そして2年目からはほとんど自分の力のみで授業を考え実施していかなくてはなりません。

私の場合2年目から現在に至るまで常に心にあるのが「授業ってこんなんでいいんだろうか?」という思いです。
もちろん、さまざまな先生が個性豊かに授業を展開し、その授業に正解なんてものはないのです。しかし、自分の発言一つでこの教科を嫌いになってしまったり、間違った解釈をされて入試などの大事な場面でつまづいてしまったりしてしまうとどうしよう…などと考えてしまうのです。
また、自分の知識の浅さからくる劣等感や焦燥感などもあります。
「ここを突っ込まれて質問されたらどう答えよう…」
「もっと具体的な説明をしたいけど自分が理解しきれていない…」
そんなことを感じるためもっとその教科についての勉強をしたいのですが、それを邪魔してくるのがクラス運営、部活動、分掌などの授業以外の仕事です。
1年目2年目の頃はそんな中でも何とか自分の勉強時間を確保していましたが、それも年を経るごとに厳しくなってきました…

さらには、昨今の大学入試改革に伴い現在の高校生に求められる学力が少しづつ変化してきているのです。そのため教科書上では全く同じ内容でも、その内容でつけたい能力などが変化し同じ内容の授業はできなくなってきています。というか同じ授業をやっていると本当に生徒の足を引っ張ってしまう結果になってしまうので必ず、毎年授業は再考します。
『子供ために』とか『多様性を認めるために』とかで”改革”を宣言するのは簡単ですが、現場ではその度に疲弊している教師が少なくともここにいることを知ってほしいものです。

そんな中でやってきたのがコロナ禍によるオンライン授業でした。コロナ禍自体は決していいものではありませんが、これによるオンライン授業は私にとっては救いでした。
オンライン授業に対してはさまざまな意見が飛び交っておりますが、私は教師本来の仕事である”授業”に集中できてとても楽しかったです。それこそ始めたばかりの数日は授業準備を全てオンライン用に切り替えたり、初めてZOOMを使って使用感を確かめたりと慌しかったですが、いざ1週間2週間やってみると、授業以外の煩わしい仕事に追われる時間が本当に少なくなり、「どうやったらオンラインで伝わるかな?」「画面上の授業でも生徒が飽きないためにはどうすればいいかな?」と純粋に授業について考えている時間が本当に増えました。今は通常の対面授業に戻っていますが、当時はずっとこのままオンラインでもいいんじゃないかと思ったほどです。

しかし、同時に気づいたのはオンラインの授業であれば林修先生みたいなカリスマ講師が一人いれば十分ではないかということです。学力をつけるためだけであれば全日制の学校は必要なくなりますよね?
現場の教師に求められているのは”完璧な授業”ではなく、教師自身が悩んでたくさん勉強して生徒と一緒に考えて”共に作る授業”なのではないかと、とりあえずは結論づけて今も葛藤しながら日々授業をおこなっております。

同時に、思考が停止し何年も同じ授業をルーティンのように繰り返す教師にだけはなりたくないとも思います。


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