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教師だって悩んでいる 〜保護者に対する本音〜

本来は、生徒の親や保護者というのは学校とは協力関係にあり、一緒になって子供の成長を考えていくはずであるが、現場では度々その関係が覆されることがある。

子供同士の問題に親が出てきて良いことはひとつも無い

これはある程度の表現力が身についたライフステージである高校生に限った話であることはあらかじめ断っておく。

高校生でも生徒同士の喧嘩はあるし、教師に対して不信感を抱いてそれを生活態度や学習面に出してしまう子供も多い。
そんな時もちろん学校として指導は行うのだがまれに、学校での話を家で聞いた保護者が学校に電話してきたり、乗り込んできたりすることがある。

その場合は本当にいいことがひとつも無い。
まず喧嘩の場合は、現場で起こる生徒同士の喧嘩というのはほとんどは生徒間で解決できるか、教師の介入のみで解決できるものがほとんどだ。
喧嘩が原因で不登校になったり、イジメに発展したり暴力事件が起こったりするのは全体の2割程度というのがいいとこだろう。

暴力行為やイジメと見られる行為(または相手がそう感じた行為)に関しては必ず保護者に連絡する。これは教師の義務であり、初めにも言ったように保護者と教師は本来協力関係にあるため、協力して子供の教育を行う必要があるからだ。

しかし、保護者の中にはほんの些細な出来事に関しても「学校の管理責任」「担任の監督不行き届き」などと激昂し、こちらに文句を言ってくる人がいる。その場合には本来、生徒間のみで解決したであろう案件も激昂する保護者の介入により事態がややこしくなる場合がほとんどだ。

保護者の介入によって、教師にはその対応をする時間が取られ、結果的に生徒との対話の時間が奪われる。そうすると生徒の中には「先生がちゃんと対応してくれない」という感情が生まれてしまう。
また、教師も人間だ。保護者から生徒への対応について文句を言われてしまうと、心が疲れてしまう。

心が疲れた状態では、正常な判断が難しくなりその後の保護者への対応や生徒との対話でも満足なものができなくなってしまう。

本当に自分の子供のことを思うのであれば、保護者はこちらがお願いするまでは静観してほしいのが本音である。

保護者の発言の重さを理解して

家の中で母親が父親の文句をずっと言っている家庭では、その子供は父親の子を嫌いになる。
母親が父親のことを普段から敬意を持って接していれば、子供も父親に敬意を払うようになる。

これは家庭内での関係の問題だが、「父親」と言うフレーズを「教師」に入れ替えても全く同じことが言える。
保護者の学校に対する態度や不信感はそのまま子供に移る。

保護者が「あの先生はダメね」と言えば、子供はそう感じて学校での態度に現れるし、「この学校の対応は全然なってないわ」と言えば子供の学校への不信感は増大する。

この影響は生徒の成長に何のプラスにもはたらかない。登校するのが億劫になり、教師からの指導が全く入らなくなってしまうのだ。

自分の言っている言葉がそのまま、子供の学校での態度などに大きな影響を与えることを理解していただきたい。

保護者対教師と言っても、所詮は『人間』対『人間』不満もあれば不信もあるかもしれない。自分より若い教員に対してなら尚更、日本特有の年功序列意識がはたらいて文句を言いたくなるかもしれない。

しかし、子供を育てる親ならばそれをグッと堪えて欲しい。教師の批判をする前にもっと子供の話を聞いてほしい。学校の批判をする前に、今までの子供の行動を振り返ってほしい。

その上で教師に”口撃”をしてくるのではなく”対話”をしにきてほしい
何度も言うが教師も人間である。間違いもするし不手際もあるかもしれない。それを一緒に改善し、本当の意味で生徒の成長を共に助け合えるパートナーになってほしい。


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