見出し画像

選挙権を持たない高校生が、千葉県知事選の投票率を上げようとしている話

千葉県に住む高校2年生、川原まなさん。高校生向けフリーマガジン『ch FILES』のスタッフとして活躍する傍ら、千葉県知事選での若い世代の投票率アップに取り組むVOTE FOR CHIBAでも活動しています。「もともと政治や選挙に関心が高いわけではなかった」という彼女がアクションを起こすきっかけや、活動への思いをお聞きしました。

学校総選挙は10~20代の若者と政治・社会をつなげるTポイントの社会貢献プロジェクトです。若者世代が政治や社会テーマについて考え、意思表示(投票)する場を作り、集まった声を世の中に発信したり、政治家や行政に直接届ける活動をしています。


1.小さなきっかけで、今まで聞き流していたニュースが目に留まるようになった

―川原さんが学校総選挙の座談会に初めて参加してくれたのは半年くらい前でしたよね。どうして参加してみようと思ったんですか?

川原 座談会に参加したきっかけは、一緒に参加するメンバーに顔を覚えてもらいたいなって思ったことで。もともと興味があって自分から調べてた感じではありませんでした。参加する前は「みんなが政党とかに詳しくて話についていけなかったらどうしよう……」って思ったんですけど、推しの政党を見つけようとか、結構軽い感じで話してくれたから自分もラフに調べてみようかなって思うようになりました。

―最初はどういうことから調べてみたんですか?

川原 政党のホームページとか見てもあんまりわからなくて(笑)。TwitterのトレンドやWebのニュースとかを見てました。見出しを見て、気になった記事を読んで、読んでもわからなかった記事は読み飛ばしたり。それを繰り返すうちに、今までサラっと流していたことが目に留まったり、なんだろうって思うようになりました。
たとえば、学術会議の任命拒否問題も、去年の自分だったら絶対に聞き流してたと思うけど、なんだろうって思えて。わかりやすく解説されたまとめを読んで理解するようにしたり、学校の友達に話を振ったりしてました。「どう思う?」みたいな感じで。

-おお!学校でも話すようになったんですね。お友達はどんな反応でした?

川原 意外と政治や選挙の話題を受け入れてくれる友達もいて、「何が問題なんだろう」「どっちが悪いのかな」とかを話しました。意見が合わないこともあるけど、まずは色々話してみようかなって。
逆に、難しそうって顔になることもあるので、 家族の話とか自転車が壊れたって話は盛り上がるのに、社会問題の話だと難しいですね(笑)。

画像1


2.もっと千葉県知事選に興味を持つ人が増えてほしい

―今は千葉県知事選の投票率を上げるVOTE FOR CHIBAプロジェクトに参加しているんですよね。いつ頃から活動しているんですか?

川原 座談会でNO YOUTH NO JAPAN代表の能條さんと話した後に、能條さんのTwitterを見たんです。そしたら千葉県知事選に向けて動きたい高校生・大学生いませんか?って募集を見つけて。それで、NO YOUTH NO JAPANのInstagramにDMを送ったのが去年の10月です。

メンバーになってからは何度もミーティングをしました。千葉県知事選で何をしたいかや、若い人の投票率を上げるためのアイデア出しとか。活動を始める時は家族にも話して、お母さんは「そんな活動があるのね~」って反応でした。今でも活動について家族とよく話してるし、応援してくれています!

―家族が応援してくれると嬉しいですね!今はどんな活動をしているんですか?

川原 今度、私の学校でも出張授業をすることになって今は授業のスライドを作っている段階です。大学生メンバーが中心に喋ってくれるんですけど、希望する生徒が対象の授業だから集まってくれるか不安で。来週クラスを回って宣伝しに行こうかなって思ってます(笑)。

また、多くの人にVOTE FOR CHIBAの活動を知ってもらうことも投票率アップにつながると思っているので、この前NHKのおはよう日本で放送されているのを観た時はすごく嬉しかったです!


―すごいですよね。我が家は毎朝おはよう日本を観ているので、VOTE FOR CHIBAが特集されてるのを見てビックリしました!

川原 放送後の反響も好調みたいです。好意的にポスターを置いてくれたり、選挙割をしてくれたり、番組を見て感銘を受けて「私のところでも選挙割させてほしい」ってNHKに問い合わせがあったり、VOTE FOR CHIBAにDMを送ってくれたりするんです。大学生の皆さんが本当にたくさん動いていて、ららぽーとTOKYO-BAYのSPINNSでも投票割と、ステッカーを配ってくれることになったんです!

ポスターもパンフレットもステッカーも作って、インスタの投稿もやらなきゃいけないから絶対大変だと思うんですけど、大学生メンバーのみなさんが「ワクワクするから嬉しい」って言っくれるから、素敵だなって思ってます


―楽しそうに活動している先輩がいるのはやる気が出ますね!

川原 このプロジェクトって瀧澤さんの意思がないとできなかったので、すごいなあと思ってます。自分で考えて、いろいろな人を巻き込めるのってすごいなあって。千葉県民じゃない人も参加してくれているし、もっと千葉県知事選に興味を持つ人が増えてくれるといいな。

画像2


3.投票するなら市民のことを考えて動いてくれる人がいい

―今回の千葉県知事選で注目しているポイントってありますか?

川原 VOTE FOR CHIBAのインスタで見て気になってるのは、千葉県ってあまりジェンダー平等に積極的じゃないこと。環境問題も、温室効果ガス排出量が全国トップということを知って、そうだったの!?と思って。
あと、森田健作知事が12年間でやってきたこととか調べてみたんですけど、思ったより少ないなって思っちゃいました(笑)。 失敗した政策でも、やったならやったって言えるじゃないですか。もっと両手に収まらないくらい(政策が)あってほしかったな。
あとは、いろんな人が出馬する選挙がいいなって思います。立候補者が少ないと信任投票みたいになっちゃうので、だったら投票しなくてもいいやって思う人が多いかも。たくさんの選択肢があると嬉しいです。

―川原さんは17歳なのでまだ選挙権を持っていませんが、もし自分が投票するならどんな人に知事になってほしいですか?

川原 うーん……。あんまり私利私欲に走らない人。いずれそうなっちゃうんですかね。もっとこう、市民のことを考えて動いてくれる人がいいです。埼玉県知事が駅でチラシ配ったりして外出自粛を呼び掛けてたじゃないですか。あんな風に動いていることがわかる人がいいなって思います。身近な感じ。

政治家の人ってニュースを見てると、ネガティブなニュースが多いように思うんですけど、きっと能力がある人も大勢いるはずなんですよね。能力があって、若い人の方も向いてくれて、誠実な人がトップに立つ社会になればいいのになって思います。今って私たちの生活と遅れたペースで政治が付いてきてる感覚で、リードしてくれる印象がないから、ちょっとズレがある気がしてるんです。身近じゃない。だから、あんまり政治家になろうとか思わないです。そう思ってる若い人って多いんじゃないのかな。ちょっと寂しいですよね。

画像3


―今年は衆議院選もありますが、時期によっては川原さんも投票できそうですか?

川原 衆議院選って遅くても10月ですよね。誕生日が来ていないので、私は投票できないんです。私は去年からいろいろ話してきたのもあって、そろそろ投票したいなみたいなのもあるんですけど……。投票権があっても行かない人は行かないので、その権利交換して!って思ったりすることもあるんですよね(笑)。 もし私が「来週は衆院選だね」って話して、投票権持ってる人に「え、なにそれ」って言われたら、エエッてなると思います。代わりに、この人に投票してきてくれって言いたい(笑)。 高校2年生とか1年生でも興味を持ってる人はいっぱいいると思うんで、持っている権利は使わないといけないんじゃないかと思います。投票してみたら興味があることが見つかるかもしれないし。

画像4


小さなきっかけで、千葉県知事選の投票率アップに向けてアクションするようになった川原さん。一見遠いように感じる政治や社会も、関わるチャンスは身近に散らばっているのかもしれません。
みなさんもVOTE FOR CHIBAの活動を見て、「自分の地元はどうなんだろう?」から考えてみませんか? もしかすると意外な発見があるかもしれません。

★VOTE FOR CHIBAについて詳しくはコチラ!


学校総選挙プロジェクトは、これからも政治・社会問題に向き合う若者を応援しています!「私も取り上げてほしい」「こんな活動をしている若者がいるよ」といった情報があれば、ぜひ公式Twitterまでお知らせください!