肩関節の評価で用いるCATとHFTについて
この記事は、肩関節の評価で用いることが多い、CATとHFTテストについてまとめました。
冒頭で完結すると、こんな内容になります。
さらに読み進めると以下の項目について理解が深まります。
□どんなテスト?
□どんな場面でもちいるのか?
□評価基準←ここ最も重要。(素早くチェックしたい方はここだけチェック!)
□実際にどう扱うの?
CATとHFT
CATは、肩甲骨を他動的に固定し、上腕骨を外転方向へ動かすテストです。
HFTは、肩甲骨を他動的に固定し、上腕骨を水平内転方向へ動かすテストです。
これらのテストは、肩関節の筋力や、柔軟性などの投球動作に必要とされる全11項目から構成される機能的テスト(原テスト)に含まれているものになります。
実施方法
実施方法として重要なことは、特定の部位に伸張感を出すために、固定する部位と稼働させる部位を明確に区分することです。
(中途半端に固定すると結果的に何も得れない。)
言い換えると、上腕骨の動きと肩甲骨の動きを分離させることにポンントがあります。
CATでわかること。みえてくること。
CATは、肩甲骨を固定(保持)し、外転運動を行う内容のテストになります。
この外転角度が増すにつれ、肩甲上腕骨の関節包下方(足側)の伸張が増します。(#4)
(本来のテスト方法は、解剖学的肢位からの動作形成となっていますが、肩甲上腕関節の内旋位を協調することで、後下方の柔軟性に焦点を当てた状況を再現できるのではないかと考えます。でも実際のところ、一定の角度に達すると肩峰下で上腕骨が衝突する現象が起きるため、違う結果を拾いやすい。*括弧内の記述内容は、個人的な見解を含んでいます。)
HFTでわかること。みえてくること。
HFTは、肩甲骨を固定(保持)し、水平内転運動を行う内容のテストになります。
この水平内転角度が増すにつれ、肩甲上腕骨の関節後方(背側)の伸張が増します。
(本来のテスト方法は、解剖学的肢位からの動作形成となっていますが、肩甲上腕関節の内旋位を協調することで、後下方の柔軟性に焦点を当てた状況を再現できるのではないかと考えます。*括弧内の記述内容は、個人的な見解を含んでいます)
評価基準について
ある文献*には、「陽性と陰性の判断基準は原に準じ、CATにおいては上腕部が側頭に近づくと正常で、近づかなければ異常、HFTは手指が反対側の床に着くと正常、床に着かない場合は異常」と考案された先生の基準に則り線引きしていると記載があった。
私も他の文献で、この基準について目にしたことがあったが、以下の点で腑に落ちない部分があった。
①上腕骨が頭に近づくって実際にどれくらい?
②指先が反対の床に着くって肘関節の屈曲度合いで多少変化でない?
こんなところから、(よくないですが)自己流で、以下の解釈を持って活用していました。
CAT:健側比(上腕と耳の間の距離)で比較。
HFT:観測の肘関節が鼻を跨ぎ体側まで動いているか。
そんな解釈を長年使っていたところ、結局どれくらい動いたらいいのか?と再考し、目にしたのが上記の文献*でした。
数値で可視化できればものすごく取り扱い(その結果の解釈)が楽!と感じます。
*鶴田 崇ら.CATとHFTの客観的基準値をもとめて「投球障害肘に着目して」
実際の活用方法
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?