見出し画像

眠れない夜の詞


あなたに届く詞の書き出しってなんだろう
なんて思いながら描き出した魂達は
なにものにもならず此処を彷徨って
愉快なメロディも痛快な結末もこの頭の中


煙を吸い込んで憂鬱を吐いて
泣きながら呷った不味い酎ハイ


あの人に憧れて描き始めた詞たちは
何者にもなれない僕を嘲笑う
今年も季節巡って僕は此処を彷徨って
大して生きてもないのに生き飽きたフリしてる


過去を吸い込んで明日を取り去って
苦い酎ハイと味のしない錠剤に今宵も頼って

なにものにならなくていい、そのままでいて
あなたが幸せならいい、横に私を居させて
私があなたを何者にもするの、私は味方なの
不味い酎ハイと味のしない錠剤を呷る夜を、
私で満たして

誰かに届かなくなっていいの貴方の心拍私には聞こえてる
今夜の月はやけに赤いわ、貴方に言いたい月が綺麗だって、

なんて言われたいなんてこの詞を吸い込んで
吐き出すこの煙

煙を吸い込んで憂鬱を吐いて
泣きながら呷った酎ハイは哀

過去を吸い込んで明日を取り去って
苦い酎ハイと味のしない錠剤、
今だけ私の味に溺れて苦みに染まって

煙を吸い込んで過去も取り去って
酎ハイと錠剤で狂ったこの舞台で
ララバイこの夜から飛び去って

あの赤い月を貴女に差し出して
貴女に届く詞の描き出しを教えて

貴女に届く詞の結末を教えて

この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?