イラスト 3か月上達法 2巡目 『完全否定』
唐突だが、わたしはポケモンをやったことがない。
ポケモン。ご存知の方は多いだろう。
あのポケットモンスターである。
そう、わたし、やったことがないのである。
じゃあ子供のころなんのソフトやってたのって問われたら、ドラゴンクエストにハマっていたように思う。
今でも、その流れでファンタジーが好きだし、なんなら『モンスターを育てるゲームといえば?』と問われれば、言うかどうかはわからないけれど、『ドラゴンクエストモンスターズジョーカー』!!って、思いうかぶ。
答えるのは…ポケモンだろうけれど。
いや、わたし宴会の答え合わせゲームとか得意だから。空気読むのとか、得意だから
まあともかく、青春時代にポケモンと共にあったという人も、多いんじゃないかなって思う。
1996年から発売され、いまもなおテレビ、ゲーム双方のシリーズを更新し続けているめっっちゃくちゃ息の長い名作シリーズだ。
並みの相手ならこの肺活量の前に、一息でかき消されるに違いない。風の前の塵みたいに
最初期に赤と緑だったカラーリングも、最早スカーレット&バイオレット。着彩さえシャレてきている。進化がとまらない。
でも私は、ポケモンをやったことがない。
けれど、やったことはないのだけれど、私はポケモンのゲーム実況にハマっていた時期がある
知っている人も多いだろう、この『金鯱の逆鱗』は。
金色のコイキングだけで、ポケモンのルビーをクリアするというだけのシンプルな内容だ。
これがやばい。
金のコイキングは色違い。
色ちがいポケモンが出る確率は8192分の1。
けれど、実況者のレオモンさんが金のコイキングをつり上げたのは、39416匹に達した時だった。確率って何だっけ…
もうこれだけで常軌を逸してる。
なのに、やっとこさコイキングを仲間にしても、攻撃手段がない。『はねる』でぴちぴちするだけ。
この『はねる』を使い続けて、出るかどうかもわからない『たいあたり』攻撃に賭ける。
出たとしても、攻撃力はたかが知れている。ピーキーすぎるしギャグすぎる。そういうキャラ好き
でも、やる方にとっては狂気の沙汰だ。
この動画をあげていた実況者のレオモンさんは、多忙さも相まって、失踪していた期間もある。てか普通やろうと思わねぇだろ…
いや、上記の実況、観ていてふつうに頭がおかしいと感じたし、わたしなら、絶対にやりたくないともおもった。
おもうけれど、その一方で、楽しそうだとも思ったのだ。
私も、もっとこんな狂気に染まって、何かを心から楽しいと思えるようになったら、きっと、人生すら輝けるのだろうなぁ、と…
ってここまで書いといてなんだけれど、あなたは
ちゃんと、イラストの3か月上達法の記事を見ている。安心してほしい。
下の絵を描き終えて、思ってしまったのだ。あの狂気の具現化みたいな実況を。
思い出したから、ここに書くしかないと思った。
……おぉー(下記より自画自賛)
1巡目よりはいい…かな?
いや、なんなら、ちょっと成長してるんじゃないか?!
何せ、全身を描いてキャンバスいっぱいに表現しようと思った時点で、前に進んではいる。そういう根拠のない確信がある。
3ヶ月上達法、すげー…描いてて上手くならない方がどうかしてるだろってつっこまないでぇ
さあてえぇぇぇえ恒例行事がやってきたぞぉ
師匠(かってに言ってるだけ)の絵と比べる時間だ。
いやぁ流石に私も上手くなってきたからそんなにダメージ受けることもほんぎゃぁぁぁぁ
…まあ慣れるよね。むしろちょっと楽しいまである。
いやー…元絵うますぎ(五体投地)
宵闇、夕景。
元のどの暗い場所を舞台にしたイラストと比べても、全体の美しさがちがう。
なんだぁ?この調和と透明感はァ
あとね。閉じた瞳のイラストをみても、自然と表情に目がいくのよね。
圧倒的な視線誘導。女性キャラの、存在感よ。
暗い場所を舞台にして全体的なトーンを落とす。
あるいは暗い場所でも、キャラクターに光を当てて際立たせてるのかな…?
どっちの絵もやばい。えぐい(語彙喪失)
おいこのままだと、わたしが師匠をただただ褒めちぎるだけのパートになるぞ?
いや、まあそれにしても顔が大事だなって、改めて感じた2巡目だったね。
私の持つすべてで、この子の可愛さを表現するには、顔を見せなきゃならんかったのだ。
もっと表情の線くらい濃く描いてあげろよ私。
翼もずいぶん甘い。
けれど、これでもまともになった方だと実感している。
骨格も羽の一枚一枚も杜撰だけれど、綱渡りでも、ぎりぎり向き合えている。
ヘッタクソなじぶんと。
その証拠が、途中に書いた下の翼のラフだ
本物の翼ではなく、魔法で翼っぽく見せてるだけ。みたいなシーンだったのだけれど、描いている途中で、私の脳内で厳しい私が異を唱えてきた。
「お前はふざけてるのか?」と。
「そもそも練習なのに、ちょろっとネットで見ただけのエフェクトで間に合わせて、キャラクターに不誠実だと思わないのか?」と。
「そもそもこの練習法自体が自分の感覚を再構築する練習法なのに、お前の矮小な感性で作ったものなんて見せられるわけないだろ」ってめちゃくちゃ言ってくるじゃん
でも、それもそうだ。
そもそも3ヶ月上達法って、とにかく元の絵に近づける練習法だ。
お前の感性は、本当に正しいか?
ほんとに絵を描き始めてたかだか何ヶ月のど素人の感性が合っているか?
自分の生み出したキャラクター?
ならプロを真似ろ。お前の技術より百倍魅力的になる。
だから、自分を完全に否定する。
否定した上で、3ヶ月後…目標の絵を描いているプロフェッショナルの感性を自分の中にインストールする(出来なくてもそのつもりで近づける)
そうすれば、美しさの基準が備わる。
この練習法は正しい。私も職業は違えど、今は技術を高める職業には就いている。
一番技術の高いと思った先輩を真似て、作品に対する感性をコピーする。自己の研鑽を続けていく上では、それが一番手っ取り早い。
それが分かれば、何が美しいか美しくないか。ある程度の判別が可能になる。
そして、また新しい人や作品を見て、疑問が起こる。
なぜあの動きで美しく仕上がるのか。
なぜあの組み合わせで美味しいのか。
たぶん、絵でも一緒なのだろう。
だから、最短で自分の中に基準を作るために、この方法を選んだ。
上達をするのに、感覚でこの練習方法は正しいことは分かるからだ。
自分を完全否定して、既存の正しい感性を再構築する。
それを早く行うためには、やっぱり深度がいる。
彼女の翼は何をモチーフにしているのか。
鳥なのか、空想の産物なのか。空想だとしたら、結局は鳥類なのか。違うのか。
額縁の宝石はなんなのか。
ルビーなのかガーネットなのか。カッティングはアッシャーでいいのか。角度は本当に合っているか。
線画も、色も、いーぱい見なければいけない。模倣するためには、それこそ齧り付くくらい見なきゃ。試行して、錯誤しつづけなきゃ。
書いていると、調べることそのものが快楽になる感覚に陥ることがあって、なんだか変なゾーンに入る経験も、何度かある。
たぶん、やっていくうちにイラストでも味わえるんだろう。
わたしが、ポケモンの『金鯱の逆鱗』を思い出したのは、きっとそれに近しい狂気を感じたからだ。
ハタから見たら狂っていると思われるものでも、きっと本人からすれば楽しいと思えるものなのだろう。
たぶん誰もが、そういうところを持っている。
一人ひとり、狂気じみたところがあって、それをなんだか、私は掴めそうな予感がしている。
なんだか楽しくなってきました!
3巡目でお会いしましょー
またね!
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