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自社システムの構築・運用をSIer頼りで良いのか


ユーザー系システム会社で働いている。システムエンジニアを名乗っているけれど、実際のシステム開発では委託先SIerのコントロールが主な役割になっている。

こんなツイートをした。

ユーザー系システム子会社でも、どんな役割を担っているかはさまざまだと思う。自分が働いている会社の場合は、親会社やグループ内の事業会社からの業務委託がほとんどだ。

そして、ほとんどの担当システムは大手 SIer に委託しており、システムの開発・保守で実際に設計書を書いたりコードを書くのは、さらに再委託されている会社のエンジニアだったりする。

成毛氏がFacebookで以下のようなポストをしていた。

ことあるごとにITゼネコンが日本を滅ぼすと言い続けてきたのだが、じゃあどーすればいいんじゃ!と質問をいただいた。答えは簡単だ。官庁も大企業も大量にIT技術者を採用して内製すればいいのだ。ようするにIゼネコンを使わなければいいのだ。お前らそん...

Posted by 成毛 眞 on Friday, August 27, 2021

また、日経XTECHの連載記事「木村岳史の極言暴論!」でも、以下のような記事をはじめ、SIerに丸投げの実態について何度も書かれている。

システム開発がメイン事業ではないユーザー系企業(金融や小売り、メーカーやその他多くの業界の企業)は、システム開発はSIerに丸投げしていている会社は多数あると思う。

一方で、自社でのWebサービスを使った事業をメインとしているような比較的新しい会社は、自社にエンジニアを抱えているイメージがある。

それなりに体力のある大きな会社であれば、自社でエンジニアを抱えてパッケージ製品やSaaS、IaaSなどを最大限活用しながら、自社の主力業務を支えるシステムは自社で構築・維持・アップデートをしていくことが必要ではないか。

自分のいる会社はユーザー系システム子会社であるが、冒頭で書いたとおりシステム開発・保守を外部委託して、自社の社員はベンダーコントロールが主な役割となっているケースがほとんどだ。

自分たちの世代は、長年ベンダーコントロールがメインの仕事になってしまっていたり、主要な基幹系システムで使っているCOBOLしか知らずに過ごしてきてしまった人が多い。

今のままだとシステム子会社社員は自社システムを内製できるエンジニアとは言えないが、自分たちが事業会社内エンジニアとして活躍できるようになる必要があるはずだ。

ビジネスとシステムを融合できるビジネスアナリスト、業務設計ができるエンジニア、大型プロジェクトを回せるプロジェクトマネージャ。ITアーキテクト、アプリケーションエンジニア、インフラエンジニア、ITサービスマネージャ。こういうエンジニア人材を抱えるシステム子会社になれたら強いはず。

今、システム子会社としてキャリア採用を積極的にしている。せっかくだから内製できるエンジニアを増やしていくほうが良い。いっそのこと中堅どころのSIerを会社ごと買っちゃうとか、当社から委託していたエンジニアを抱えていた部門だけでも買っちゃうとかは無謀だろうか。

ベンダーコントロールしかできない業務寄りの名ばかりエンジニアを中心とするのではなく、内製できる社内エンジニアを増やして、大手SIer頼りの状態を脱却する。

もしそんなことが出来るなら、今の社員にはキツイかもしれないけど、会社の将来を考えたら必要なことだと思う。