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声優のメンタル・フィジカルケアって?

少し前なのですが、精神的にギリギリの女性を演じて参りました。短いワンシーンではあるものの、登場からシーン終わりまで一切救われない彼女。

収録数日前からリハをするわけですが、かなり壮絶なシーンなので精神力も削られるし、泣き叫ぶから喉も気をつけなきゃいけない。

そんなこんなで無事収録を終えた帰り道。何だか異様に喉が渇く。声帯をやってしまったわけではないのに、ガラガラするし声が上手く出ない。元気なはずなんだけど、気力が戻って来ないというか…あらゆる違和感が拭えない状態でその日は就寝しました。

その翌日。丁度トレーニングの日だったので、トレーナーに状況を説明してみることに。

・精神的にギリな役を演じた
・体が何だかおかしい

その日はフィジカルトレーニングの日だったんですが、すぐさまケアオンリーにしましょうということになり施術開始!!

まずは状況確認ということで椅子に座った状態で下を向いて呼吸をしてみたところ、全く背中が動かない…びっくりするぐらいガチガチ。過度の緊張状態が続いて胸鎖乳突筋が優位になり過ぎているらしく、その状態だと呼吸がキチンと出来なくなるとのことでした。

さらにその状態だと体が水分を吸収出来にくくなると言われたので、本番後水分をとってもとっても喉カラカラでした!!と興奮して報告したら「でしょうね」と冷静に返されてしまったw

そんな感じで整体やら鍼やらをやってもらい「肺に息が入る!!!」と実感出来る状態に戻してもらい、じゃあ終わりだなと思ったら。

『精神的に厳しい役柄って言ってたから、最後に自律神経整える鍼打って終わりましょ』

この言葉にもう感動ですよ。こちらのトレーナーはプロアスリートチームに帯同してフィジカルケアしたりしているんです。だから、聞く力というか汲み取る力が流石プロだし本当にありがたい。

商業演劇にはフィジカルトレーナーが帯同することも最近では珍しくありませんが、我々声優は基本自分一人で活動しているわけで。自分の面倒は自分で見なければならない。だからその辺りも積極的にケアしていかないといかんよなとしみじみ感じたんですよね。

役者は演じる役に引っ張られてしまうことがある。自分で思っている以上にメンタルに影響を及ぼしているし、だからこそフィジカルに現れてくる。

皆さま、精神的に追い詰められる役だとか作品だとかに関わる場合は、フィジカルサインを見逃さないようにしてあげましょう。

たとえば、足のリフレ10分とかだけでも違うと思うんです。頭皮マッサージ10分とか。アレっと思ったらプロのケアを迷わず速攻で受けてみる!!

役者は定年退職ありませんから、長く続けていくためにも役柄に引っ張られて心身の不調に陥ることがあるというのを頭の片隅にでも覚えておいてもらえたらなぁと思います!

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