見出し画像

[ヒント集] 習慣・鍛錬・達人への道

語学をやるにしても、運動をやるにしても、絵を描くにせよ、楽器を演奏するにせよ、持病とつきあっていくにせよ、厄介で逃げられない自分の精神と一生付き合っていくにせよ、、、何にせよやるからには上手くなりたい。

上達すれば同じことがストレス無くやれるし、楽しい、嬉しいはずだ。

となると、何をやるにせよ、上達するのが上手くなりたいとも思うわけだ。だから俺は時々、上達する為の方法について考える。
時を経ておぼろげながらまとまってきたのでメモしておく。
キーワードは、「習慣、バカにしない、子供の目」だ。

現時点でのまとめ

1. 日々の積み重ね: 習慣化・日課をつくる

淡々と続ける。これがベース。大基本。基盤。現在の実力ではなく、仕組みづくりと、角度(少しずつでもプラスになる方向でやれているか?)が重要。これはAtomic Habitsという本がカバーしてくれている。

2. 自分の成果を馬鹿にしないこと

いくら習慣が全てだと言っても、義務的な強制だけでは感情面が置いてかれて嫌になる。分かっちゃいるけど続かない良い習慣、やめられない悪習など、全ての理想の習慣の失敗はエモーショナルな抵抗が原因といってもいい(らしいです)。
なので、Atomic Habits に紹介されているテクで、make it attractive(=魅力的にする) や make it satisfying(満足できるようにする)にするのだ。
しかしそれよりももっともっと重要な事がある。それは「現時点での成果を馬鹿にしない」という事だ。バカにすると嫌になってやりたくなくなっちゃう。自分に対して「こんな先生にだけは教わりたくないやる気を削がれる先生」みたいにならないように注意だ。
これは普通にできる人と、出来ない人がいるだろう。これも技術と捉え、できるようになろう。馬鹿にしない事ができるように鍛錬しよう。

3. 新鮮な眼で練習する:  小学生の眼

最後は練習の質について。マンネリ化、ただやっているだけを避ける為の「小学生の眼」。なんもわかってない状態で日々取り組む。分かってしまわない技術・態度。これは坂口恭平のTweetや、「脳の右側で描く」「PEAK」にヒントがある。

坂口恭平という達人

坂口恭平という変わった人がいる。俺は彼を「達人」と呼んでいる。彼自身もそれがしっくり来る的なコメントをくれた(本当に恐縮感激。Twitterよ。坂口さんよ、ありがとう)。周りからしょっちゅう「天才」と言われる彼だが、彼は自分の事を「天才」とは定義していない。ただ、「達人」であろうとはしているようだ。

画像1

それは多分彼がいろいろな問題を、課題として捉え、その課題を乗り越える為に技術を鍛錬してきたからだ。
これは絵・演奏・文章だけではない。浮き沈みの激しい自分自身の精神という暴れ馬を乗りこなす方法をも技術と捉え、試行錯誤の末に乗り越えてきたと思われる。
驚くべきことに彼はついに躁鬱の症状が1年以上治まっている様だ。

俺が考える達人坂口恭平の秘伝を列挙しておく。多分もっといっぱいある。

1. 何でも技術と捉える

練習すればうまくなると考える。
Twitter の検索窓で"from:zhtsss 技術" で検索してみよう。結構なんでも「技術」と捉えている。技術という言葉の適用範囲の広さよ。

2. 自分を所有しない

自分なんて大したことないと思う。そもそも上手いと思ってないから、気楽にトライして、アウトプットし、試行錯誤をつづける。Quantity over quality(質より量。そして量が質の向上へと至る道)

3. 自分のやることを馬鹿にしない

自分を馬鹿にしないことも技術だ。

4. 無視する: 無視して勝手にやる

興味のない人に何か言われても戦わない。無視する。無視する技術。
ニーチェの「愛せなければ通過せよ」を自でいく感じ。

------------------     
以下、Tweetやインタビュー記事を貼っていく。箴言の数々!

↓坂口恭平は習慣を「日課」と呼んでいるようだ。

↓ 自分のやることを馬鹿にしないこと。優しく、しかし指摘せずに見守る。

自分を長い目で見る技術。選別する人をなだめつつ、しかし甘やかすことなく、毎日水をあげる。

↓ 小学生のような気持ちで、毎日素直に練習

自分のアウトプットした作品への独特の距離感

ジョッシュ・ウェイツキンという達人

ジョッシュ・ウェイツキンというチェスの神童がいる。公園でおじさんたちがやっているチェスの勝負を見てのめり込んだ。公園に通ってチェスを覚えた。強くなって16歳でインターナショナル・マスターになった。彼の父は息子についてノンフィクションを書いた。「ボビー・フィッシャーを探して」は映画にもなった。その後は、太極拳推手(勝負する太極拳)の世界大会覇者にもなった。ブラジリアン柔術界のレジェンド Marcelo Garcia (マルセロ・ガッシア)の元で黒帯を取得した。

どれか一つでもとんでもなく凄いのに、3分野で成し遂げている彼は何が凄いのか?

彼自身は自分の凄さを「学び方のプロ」と捉えている。チェス、太極拳といった異なる世界のアクティビティに共通するものを見つけて、分野を超えて方法を適用したりする。

習得への情熱―チェスから武術へ―:上達するための、僕の意識的学習法 ジョッシュ・ウェイツキン

僕は本人が朗読している英語のAudiobookで聴いたのと、Podcastで彼の出演回を探していくつか聴いた。因みにAudiobookの権利は Tim Ferrisが買い取ったらしく、Audibookの最後にもTimとの対談が収録されていた。

レビューをいくつか貼っておく。

PEAK: 超一流の練習法についての本

いわゆる「1万時間の法則」(1万時間練習すればそのジャンルのプロになれる的な)の元になった調査を行った、心理学者のアンダース・エリクソンが書いた本。

単に1万時間やればよい、というわけではなく、Deliberate Practice(意図をもった練習)が重要なんだと言うことを書いている。

■ 超一流になるのは才能か努力か? アンダース エリクソン
相変わらず訳書は長ったらしい説明的なタイトル。

読んだ当時に書いたメモ

▪️ 意識的鍛錬(Deliberate Practice)
- 知識ではなく技能(何が出来る様になるべきか)にフォーカスすべき。
- 技能目標を明確に定義して分割し小さな変化(進歩)の達成を通じて至るようデザイン
- 楽して出来ない領域で頑張る(out of comfort zone)事で脳が適応する。
- 練習は超意識的に、練習の目的理解重要(なんの為にこの練習をやるのか)
- 練習時の集中大事。練習の質 over 時間
- 技能の習得過程で心的イメージを獲得し、より有益な、詳細なものへ発展させる。心的イメージによりSelf check(feed back)が可能に。
- 生まれつきの才能を信じることは練習の価値を underestimate する事につながるので有意義ではない。

Atomic Habit: 習慣本の決定版

習慣について簡潔かつ網羅的にまとまっている。
Power of Habit や mini habit 等売れた本は沢山あるが、これが決定版だろう。
Growth Mindset, Deliberate Practice, Zone, GRIT なんでも網羅している。
読む度に発見がある。
こうすべきだ的なメッセージが薄い(というか無い)。主観的な意見を排して、習慣のもつプラス面・マイナス面の両面を教えてくれる。
簡潔で鋭いフレーズが光る。英語のAudiobookを何度聴いたか分からん、というぐらい聴いている。
日本語の翻訳もチラッと読んだり、Audiobookも聴いてみたが、英語版の様な切れ味がなく、真面目、堅苦しい、冷たい印象を受けた。翻訳によって内容は損なわれていないが、スピリットが失われている感じ。

訳書のタイトルがおそろしくダサい。人にすすめるのを躊躇するレベルでダサい。
「何読んでるの?」 「AtomicHabits」ならいけるが、「何読んでるの? 」「 ジェームズ・クリアー式 複利で伸びる1つの習慣」だなんて言えないよ〜♪

その他

エゴ・自意識の肥大化は害しかない。EGO KILLS TALENT だ。
達人はエゴが薄まり、老子的な考えになっていく共通性がある。エゴが消滅し、対象に同化し、集中とリラックスが共存する。細部の解像度が高まりつつも、広い周辺視野を保つような、視野狭窄を伴わない集中。

■弓と禅
これも関係ありそう。随分昔に買ったけど読めていない(オイ)。多分、五輪書(読んでない)や、バガボンド(まあまあ読んだ)も同じだろう。

■ 決定版 脳の右側で描け ベティ・エドワーズ
先入観に飲まれずに対象を曇りなき眼でみる。描く技術の半分は観る技術からくる。

■ タオ―老子 (ちくま文庫)
この本は若い時に出会い、友達に何度かプレゼントした事があるくらい好きな本だった。


↓ おかね。。。おかねをください。