しぶとく勝ち上がったアフリカチャンピオン~2022カタールW杯GL エクアドル1-2セネガル
pic. by 共同/産経新聞
セネガルがエクアドルを下し、グループリーグ突破を決めた。
初戦で開催国カタールに勝ち、第2戦はオランダにしぶとく引分けた好調エクアドルは、GL突破すれば大会の『台風の目』になりそうな「ノッている」チームだ。
対するセネガルは、アフリカチャンピオンの誇りをもって挑む。
第2節を終えた時点で、エクアドルが勝点4でオランダと共に首位、セネガルが勝点3で3位。
この試合、勝ったチームは文句なくGL突破、引分けだとエクアドルが突破という状況だった。
前半44分。
イスマイラ・サールがボックス内で倒されて得たPKを自ら決め、セネガル先制。
引分けで十分なエクアドルは、前半は戦い方が堅かった。
おそらくハーフタイムに相当ハッパをかけられたのだろう、後半はアグレッシブさ全開で中盤のプレスが奏功し、ゲームの主導権を握る。
そうなると、試合は一気に動き出す。
後半22分。
コーナーキックを中央でそらせ、ファーに詰めたカイセドが押し込み、エクアドルが1-1に追いつく。
エクアドルは、このままの引分けでGL突破が決まる。
厳しいキビシイ南米予選で、幾度もブラジルやらアルゼンチンやらの強豪と「負けない戦い」を演じてきた南米第4代表のエクアドルは、しぶとく守り倒そうとする。
その戦術は理解できるし、現にエクアドルは守りに入った(と見えた)。
ところが僅か3分後の、後半25分。
セネガルは、エクアドル陣内でフリーキックを得る。
ゴール前中央へ送ったボールがDFにリフレクションし、右サイドで反応したDFクリバリが、ゴールの左サイドネットに見事なインサイドボレーを叩き込んだ。
冷静で、まるでFWのような、ゴールへのパス。
鳥肌モンの勝ち越し点だった。
その後のエクアドルの猛攻をしのぎ、試合はそのまま終了。
セネガルは、W杯初出場の2002年日韓大会以来の、GL突破を決めた。
実はクリバリは、『世界チャンピオンになり損ねたセネガル人』である。
生まれ育ったフランスと両親の母国であるセネガルの二重国籍を持つクリバリは、U20フランス代表として2011年大会に出場した過去を持つ。
しかし、その後フランスのA代表に選ばれず、セネガル代表入りを2015年に決断。
一方彼が居ないフランスは、2018年ロシア大会で優勝したのは周知のとおり。
セネガルには他にも、魅力的な選手がいっぱい居る。
エドゥアール・メンディは、2021の「FIFA最優秀ゴールキーパー」である。
本当は、2021年アフリカネイションズカップのMVPマネも観たかったが、大変残念ながら、直前の怪我で代表を離脱した。
でも、エースのマネの不在こそが、チームの結束を強めているような気もする。
シセ監督は「この勝利はセネガルために特別なことをしてきたマネにささげたい」と謝意を表した、と報じられている。
決勝トーナメント1回戦では、セネガルは、バリバリの優勝候補イングランドに挑む。
ワトフォードのFWイスマイラ・サール、チェルシーのDFクリバリ、チェルシーのGKメンディなど、イングランドプレミアリーグに所属する選手も数多いセネガル代表。
楽しみで仕方がない!
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