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ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ:Rodrigo y Gabriela "In Between Thoughts ... A New World"

メキシコ出身のギター・デュオ、”ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ”が新しいアルバム "In Between Thoughts ... A New World" をリリースした。彼ららしい歯切れよいリズムと聞きやすいメロディで、なかなか気に入った。

二人が自分たちの言葉でアルバムのコンセプトやエピソードを説明し、1曲づつ曲を紹介してくれる動画が、彼らのチャンネルでアップされている。
1時間20分もの動画だ。

強い訛りがあってとても聞き取りにくいがなんといっても生の声だ。普段曲を作るときは1曲1曲とても時間をかけて苦労しながら作るが、今回は1曲1曲どんどん流れるように作ることができたということだ。

この2020年から3年の経験が、彼らの世界観に強く影響を与え、そこから創作意欲が自然に湧き出てきたということらしい。

それにしてもいい時代になったものである。


私が初めて聴いたのは 2009年のアルバム "11:11”だと思う。1曲目の Hanuman がヒットして私のところまで届いたのだった。

もともとヘヴィメタル好きで、スラッシュ・メタルのバンドからスタートしたというのを知る(ロドリーゴ・イ・ガブリエーラ - Wikipedia)と、動画の映像はなるほど感がある。ギターの胴も叩きながら激しくリズムを刻むガブリエーラと、パーカッシブな音でメロディを奏でるロドリーゴと、息がぴったりあって楽しめる。

2年前の NPR の Tiny Desk Concert でも相変わらずいい演奏を聴かせる。

ちょっと日本風を意識したようなセットだ。さとり、という曲もある。


さて、この新しいアルバムではSpotifyの再生数を見て見ると 4曲目の "Descending to Nowhere" が一番人気のようだ。ビデオクリップは頑張った作った感があってなかなか面白い。やはり日本好きなのだろうか、動画の中の登場人物(?)が日本刀を構えている姿も見える。人類を未来の宇宙から見るような雰囲気で、現代社会に警鐘を鳴らすようなメッセージが込められているようにも見える。

若干スピリチュアルな感じがするのも面白い。上に貼ったアルバムの紹介ビデオでも、非常にまじめな感じで一生懸命説明しているのが好感だ。

冒頭、「メキシコ出身のギター・デュオ」と書いたが、最初「メキシコ出身のアコースティック・ギター・デュオ」と書いてから書き直した。この新しいアルバムでは全面的にエレクトリック・ギターを使っているからだ。

デビューアルバムや "11:11" のころに感じたインパクトは薄いかもしれないが、彼らの楽曲のいいところを残しながら新しい音づくりで新しい展開を見せていてなかなかいいアルバムだと思った。

ちょっとおススメだ。

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