上原ひろみ:Beyond Standard
一昨日の雑記帳でちょっと触れたが、映画 "BLUE GIANT" の楽曲を上原ひろみが手掛け、そのサウンドトラック・アルバムがリリースされた。
映画も原作漫画も見ていないが、アルバム・ジャケットから雰囲気が伝わって来るし、彼女らしい力強いエネルギッシュな曲で気に入って聴いている。再掲しておこう。
上原ひろみは好きで以前からよく聴いている。2008年のアルバム Beyond Standard あたりで初めて聴いたように思う。バークリーを最優秀で卒業、アメリカの名門ジャズ・レーベルと契約しいきなり世界デビューというのが2003年だから、ちょっと乗り遅れていたかもしれない。
Hiromi's Sonicbloom という名のバンドで上原ひろみのエネルギッシュなピアノや、ベースもドラムスも手数が多く大きな音で達者、そしてデヴィッド・フュージンスキーのクネクネしたギターも恰好よく、スタンダードを楽しくラウドに演奏する。
イントロ、2曲目と続く"Softly as in a Morning Sunrise"からわくわくさせる演奏で "Clair De Lune" "Caravan"と続く。シンセを叩くように弾くイントロから始まるジェフ・ベックの "Led Boots"もいい。
ライブの動画が上がっていたので貼っておこう。彼女のこれまでのキャリアの中でもこのバンドはとくに好きだ。
2007年のTime Controlも好きでよく聴いた。
2010年にスタンリー・クラークの "The Stanley Clarke Band" に参加してグラミー賞を受賞した。でかいスタンリー・クラークの隣に並ぶと小人みたいだが、パワーはちっとも負けていない。
スタンリー・クラークといえば、チックコリアの泣く子も黙るバンド Return To Forever のベーシストで、ビシバシと決めるスラップがトレードマークで、ウッド・ベースもこなすし弓弾きもする。リーダー作もいいアルバムばかりだ。
それにしてもこのアルバムを聴いたのはついこの間のことのように思っていたが、もう10年以上前になる。
アンソニー・ジャクソン(b)、サイモン・フィリップス(ds)とのトリオもよかった。2011年の "Voice"、2012年の "Move" 2014年の "Alive" 2016年の "Spark"、どれもよい。
アンソニー・ジャクソンも太い音で好きなベーシストだ。
ピアノ・ソロではジャケ写も魅力的な Spectrum が2019年にリリースされている。
Facebookでもフォローしているが、ツアーで世界中を飛び回っている様子が楽しく伝わって来る。各地での食事の写真も添えられているが、特にラーメンやパスタが多い。
追いかけていると、あの小さな身体に秘めるパワーとエネルギーはどうもラーメンらしい。そんなところも大好きなのだが、ラーメンと言えば矢野顕子の「ラーメンたべたい」。
スタンダードのフォーマットを踏襲しつつ、エネルギッシュに枠を超えていく。まさしく Beyond Standard これからも楽しみな、元気の出るピアニストだ。
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