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ブラジルの若手天才ギタリスト/ペドロ・マルティンス・2:Pedro Martins "Rádio Mistério"

ブラジルのペドロ・マルティンスを最初聞いたのは、現代ジャズギターの皇帝と一部で言われている、カート・ローゼンウィンクルのアルバム・CAIPIだったが、そのことは以前に書いた。

この記事で、「現代の若者は、センスよく高度なテクニックも持ちながら、より自由でしなやか、そんなふうに感じる人を多くみかけるような気がする。」と書いたが、最近にリリースされたペドロ・マルティンスの新しいアルバム "Rádio Mistério" を聴くと改めて同じ思いでいる。是非、ブラジル発の優しくしなやかで自由、そして上質なポップサウンドを聴いてほしいと思う。

ギタリスト、というか、その枠には収まらなず、複数の楽器をこなし、作詞・作曲、プロデューサーでもある。実際、オマー・ハキム (ds) や、
皇帝クルト・ローゼンウィンクルや、エリック・クラプトン、DOMI & JD Beckの JD Beck (ds) などゲストで参加しているが、全曲、ペドロ・マルティンスのオリジナルで、しかも 、ボーカル、ギター、ベース、キーボード、ドラムスをこなし、 ほぼ自らの演奏で作られている。

しかし、そんなすごさは微塵も魅せず、楽曲はあくまでしなやかでサウンドは流れるように優しい。ジャズとブラジル音楽の基調で上質のポップスの世界が作られていて、全編、リラックスして楽しめる。

ボーカルは歌というより楽器の一つのような扱いで、私自身はこういう音作りを好む。図がはっきり浮かび上がる絵もいいものだが、図がありながら周辺の地と境界があいまいな絵もいいものだ。注意の向ける方向に応じて地が絵となり絵が地となることもあり、注意を強いることもない。

Webですでにいい解説を見つけたので、そちらをリンクしておこう。

1曲目を始めとして、半数のトラックはペドロ・マルティンスがすべての演奏をしているとのことだ。

2013年のアルバム "Dreaming High" はもっとジャジーで一粒一粒の音が際立つようなギターの演奏が全面に出ていて、こちらも好感触だ。

こちらも是非。

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