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第1回 mgnアクセシビリティ公開社内勉強会メモ(前編)

ちょうど個人的なアクセシビリティ熱が高まっている時に、勉強会の告知↓を目にしたので申し込み期限ギリギリの飛び込みで参加してきました!
その個人的メモをまとめています。

◾️アジェンダ
<前編> このノートです

・音声ブラウザを通してみるウェブ(中根さん)
・ブラウジング操作のデモ(中根さん)
<後編>
・デザイナーができるアクセシビリティ対応(守谷さん)
・アクセシブルなウェブの実装のためにWAI-ARIAを使いこなす(桝田さん)


『音声ブラウザをとおして見るウェブ』 中根 雅文さん

中根さんとは
・全盲のエンジニアさん(freee所属)
・ちょうど前日に中根さんの事が紹介されたこちらの記事を読んで、
 熱が高まりました
 https://developers.freee.co.jp/entry/freee-a11y-2018

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最近の活動
https://accsell.net
 ・アクセシビリティに関する情報発信やポッドキャスト配信
https://jbict.net
 ・日本視覚障害者ICTネットワークの運営
  - その使いにくさはどこから来ているのか?
    視覚障害のある当事者が分析できるように育成
 - 視覚障害者と生産者・開発者間のつながりをつくる

ちなみにどうやってスライドを発表されていたかというと
・プロジェクタに接続したiPhoneからGoogleスライドを操作
・voiceover(iPhone標準の読み上げ機能)を使用、
 タップしたところの機能項目を読み上げてくれるので、
 それで認知してダブルタップして実行しているようでした
※apple公式にVoiceOverのまとめがありました
https://www.apple.com/jp/accessibility/iphone/vision/

※操作が非常に早く、プロジェクタに出力する大きさや向きなどを
パパッと手早く修正されていて、晴眼者(目が見える人)よりも速いのでは…と思いました。

◾️アクセシビリティの言葉の定義

公式の定義によっていくつかあるが
誰もがほぼ同じコストで、ほぼ同じ情報、サービスにアクセスできる

- 誰もが
・年齢、性別
・使用環境
・身体的特徴
・通信環境
・デバイスの種類
など・・

- コストが同じか
・操作に関するステップ数は同じか
・手が使えない人の身体的ストレスは同じか
・完了するまでに要する時間は同じか
 (○○が使えなくてもキーボードなど代替ができるでしょう?
  →ややこしく時間がかかるケースが多い=コストが異なる)

- 同じ情報、サービスにアクセスできるか
障害者の支援ツール向けに用意されたようなテキストオンリーのページ
 →更新が5年前、メンテナンスがされていないケース→同じ情報量ではない

 →最近はワンソースでテキストオンリーページを出力するものもあるので、
  情報の同一性が昔よりは技術的に楽になってきているはず

◾️視覚障害とは

全盲やそれに準ずる状態
・全く見えない、光が判別できる程度
ロービジョン
・視力の矯正をしても視力が低い
・視野が欠損している状態

→スクリーンリーダーを使ってPC・SPから音声出力するのが使用者の主流

◾️どんな支援技術があるか

主なスクリーンリーダー
<windows> 
pctalker 
http://www.aok-net.com/screenreader/
 ・日本のシェア7-8割、お値段3-4万程度
JAWS
http://www.extra.co.jp/jaws/
・欧米では5割ぐらいのシェア、お値段15万ぐらい
  +アップデートに毎年3万ぐらいかかる)
 ・点字出力のサポートが手厚い
・DOSの時代からある

NVDA
https://www.nvda.jp
・オープンソースで無料
・結構使用できるレベルにレベルアップして来た
・基本機能はかなりいい感じになって来ている
・無料なので、晴眼者の人でもチェックに利用できる

ナレーター
https://support.microsoft.com/ja-jp/help/22798/windows-10-complete-guide-to-narrator
・MS謹製アプリ、win10から発展の兆し

<Mac>
VoiceOver

https://www.apple.com/jp/accessibility/mac/vision/
・日本語が微妙

<iOS>
VoiceOver

https://www.apple.com/jp/accessibility/iphone/vision/
・3GSの時代からある
・macとは別物で良い 

<Android>
talkback

https://support.google.com/accessibility/android/answer/6283677?hl=ja

など。上記全て、
点字ディスプレイ(ハードウェア)に出力できる

※中根さんは、40マスのセルがある点字ディスプレイをお使いとのこと。
 多分こういう感じのものかと(bluetooth接続できる!)
 http://www.extra.co.jp/focus_40_blue_V.html

◾️ロービジョン
・大画面と拡大表示の組み合わせで
 見え方、見せ方の組み合わせで解決できる場合が多い
 → 適切な配色、画面表示の選択が大事

 画面全体の俯瞰図を得られない
 →点字ディスプレイで断片を読んで行くので、どこに書かれているかを
  探すコストがかかっている

音声ブラウジングのデモ

デモ時の環境
NVDA
・早口で話してくれるので効率がいい
Win10/chromeのPC
Bluetoothで接続した点字ディスプレイ

(デモのお題)
食洗機の売れ筋、製品を選択できるぐらいの情報を集めて購入製品を決める[20分]

(ざっくり流れ)
※togetterが臨場感あります

◾️googleの検索入力TOPにて
・中根さんが普段流しているテキスト読み上げの速度が超高速
・スクリーンリーダーの操作をするためのコマンド(eキー)を押すと
Eというテキストが入力できない
 →モードの切り替えをすると解決
  ブラウズモード/フォーカスモード 
・文字入力をする
 親指シフトキーボードで入力
・入力した文字の読み仮名の読み上げ
 売れ筋→「商売の売、ひらがなのれ、筋肉の筋」

◾️検索結果一覧ページにて
・Hキーを押すと見出しにジャンプして読み上げ
 (ブラウズモードなので入力されない)
 enterキーでそのページに遷移

◾️検索からたどり着いた食洗機記事ページ
https://my-best.com/2457
・Hキーを押して(H1見出しが読み上げられる)、
 どこに目的のものが書かれているか聞く

見出しをいくつか追って行くと、文章構造に合わせて
 きちんとマークアップされていれば
見出しだけ聞けば内容がわかりやすい
・欲しい見出しを拾って、その下の情報を読めば(聞けば)わかる

◾️補足
普段はここからアタリをつけた製品の品番をコピペして、
詳細を検索→よく使ってるamazon,ヨドバシで注文
・スペックの比較だけだとわからない情報は、価格.comだとわかりづらい
 →パナソニック以外は撤退している
 →賃貸では据え置きしか使えない など
・楽天→出店者によってページの見やすさがまちまちなので、最近は使っていない

感想

全盲の方が普段どうやってウェブの閲覧・操作をしているのか?と、実際にユーザーを観察できる機会もなく、知見もほぼなかったので、実際に
どんな環境で、どんな端末を使って、どんな操作を行い情報を得ているのか?という当事者の言葉や、日頃の思いのすべてが勉強になりました・・

あと中根さんの操作が想像以上に高速で、逆に晴眼者がついていけない速度だったことも驚きでした。(職業や、慣れやリテラシーによってそれぞれとは思いますが)

全盲であっても晴眼者と同等のコストで、同じ情報にアクセスできている状況を目の当たりにして、作る側として今までのアクセシビリティ対応が足りていないと痛感したので、支援ツールを導入したり社内啓蒙を地道に行って機運を高めていくぞというめちゃくちゃな焦りとヤバさをいただいたので頑張って行かなくちゃという感じでした

 追記

登壇資料がUPされてました

後編に続く


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