断酒、始めました。(中)

前述の通り、今年1月に1度実施していたため、断酒直後は眠りが浅くなるのは分かっており、寝床に入った後の寝付けない焦りのようなものとは上手く付合えていた。初めての時は正直、何時眠れるのか。焦りが焦りを生み、足にジットリ汗をかき始めて、それが冷たくなって、終いには酒を呑んで気絶するように眠りたくなる誘惑が……という辛いループに入っていたが、今回は殆ど無かった。

■メリット
単純な話、体調が非常に良い。
何より起き抜けで嘔吐することが無くなった。それだけで断酒のメリットは十二分に享受している。頭痛無し、背中・腰回りの痛み無し、足の親指の痛み無し 等々の近年に無い体調の良さを謳歌している。

次に時間が出来た。
酒を呑みながら、することも無いので、薄い膜を幾重にも被せた思考で情報収集や映画鑑賞……気が付けば深夜という日常を繰り返していたが。『酒を呑む』という行為が無くなった御蔭で時間が出来た。酒を呑むことで感覚としては“瞬間的に”過ぎ去っていた時間が緩やかに流れるようになり、やらねばならないこと、やりたいことが或る程度の時間で終わり、片付いた段階で睡眠に移行という流れが出来た。

結果、睡眠時間が格段に増えた。また目覚めが良くなった。
断酒前から睡眠時間を記録するアプリを継続利用しているが、それまで平均4.5時間だった睡眠時間が現時点で平均8.5時間。飲酒時は寝過ごしが怖くて仮眠を取るのも躊躇していたが、今は仮眠を取ってもアラームで直ぐに起床可能なため、時間が空いたら睡眠するという生活に移行。
睡眠時間が増えたため体調も改善する、というループが出来始めている。

あとは感情の起伏が小幅になった。
酒を呑んでいる時、脳にアルコールが残存している時は熱し易かったが、断酒を始めてから起伏が乏しくなった。
とは言え、演芸を見に行けばゲラゲラ笑うので、陰と陽の感情があるとすれば、陰側 特に怒りの感情がメーターを振り切らなくなった。振り切らなくなっただけで日々、怒りの感情は覚えるが。。
ただ覚えた後に相手に諦観を覚えて、距離を置くようになった。酒の有無関係無いのかもしれないが『ヒトは育たない』もしくは『育てようという傲慢な考えは捨てよう』という域に至ったような気がしている。期待もしないので怒りも小幅、という意味ではメリットと言って良いのではないか。

■デメリット
暇。
これに尽きる。
時間が出来たが故に、その時間を有効に使えていない気がして心的負荷が募る。飲酒をしていた時は“時間泥棒”に強奪されているかのように時間が消失していたが、今は時間を持て余している。
この45日間で空いた時間の新たな使い道を模索し続けている。
歯医者に行き、R-1を日々飲み、散歩をして、勉強をし直し、読書をし、映画を見て、Tverを見て、YouTubeを見て、Noteを書いて……と新たな時間の使い道を模索し続けているが寝食忘れて夢中になれることは見つかっていない。
飲酒を捨てたので、枠が出来て、新たなモノを入れることが出来るようになった。そう考えるとポジティブな気持ちになる一方、時間を有効活用出来ていない“貧乏性”の性格に苦しめられている。

あと甘いものを無性に摂取したくなる。
この生活を始める前はアイスクリームなんかは年に数回程度しか口にしなかったが、今や2日に1度はバニラアイスが食べたくなる。糖分不足、というか脳が何か過剰な刺激に溺れたくなっており、アルコール分の代わりに過剰な糖分摂取でトビたくなっている気がしている。今は為るがままに摂取しているが少しずつ減らしていきたい。

そして外食の幅が狭まった。
前回1月の時も感じたが酒を呑まなくなると途端に店の選択肢が狭まる……気がする。実際は酒を呑まずとも居酒屋で烏龍茶と刺身や焼き鳥と食事をすれば良いのだが、周りが呑んでいる中で自制が利くのか、自分自身に半信半疑な部分もあり、まだ足を運べていない。
代わりに昼食で足を運んで定食を食べたりしている。しかし困るのは夕食。夕食を外で食べる時が目下の悩み。
(続く)

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