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【人事に効く論文】JD-Rモデルについて知りたかったら、とりあえずこの論文を読んでおきな → A Critical Review of the Job Demands-Resources Model

Schaufeli, W. B., & Taris, T. W. (2014). A Critical Review of the Job Demands-Resources Model: Implications for Improving Work and Health. In G. F. Bauer & O. Hämmig (Eds.), Bridging Occupational, Organizational and Public Health: A Transdisciplinary Approach (pp. 43–68). Springer Netherlands.

1. 20秒で分かる論文の概要

仕事の要求度-資源モデル(JD-Rモデル)に関するレビュー論文です。
JD-Rモデルの開発経緯に始まり、様々な先行研究で仮説検証された主張が数多く紹介されています。また、それだけでなく、JD-Rモデルにはどのような問題点があるかにも触れられており、今後の研究の方向性も示されています。
これまで、JD-Rモデルに関する有名論文を時系列的に読んできましたが、私としては、現時点でJD-Rモデルの概要を知るのに最もおススメな論文です。興味があれば、DeepLを駆使しながら読んでみてください。

2. 現場目線の解説/感想

この論文の後半でJD-Rモデルの問題点として紹介されていたのは以下の6つです。
(1)JD-Rモデルは汎用性の高さが魅力なんだけど、それがゆえに個々の特定の事象を説明するには他の理論を組み合わせる必要があるんだよね
(2)仕事の要求度と資源の境界線が曖昧なんです (ex.仕事の資源の不足って、要求度の高さと何が違うの?)
(3)個人の資源の位置付けがまだ定まってません
(4)健康障害プロセス(Health Impairment Process)と動機付けプロセス(Motivational Process)の区別が微妙です
(5)因子間の関係は単方向矢印なの? 双方向矢印なの?
(6)JD-Rモデルは、個人だけじゃなくて、チームにもあてはまるんじゃない?

これらは、JD-Rモデルに関する論文をいくつか読んできて私自身も薄々感じていたものばかりであり、今後の研究に期待といったところです。

そして、個人的にこの論文がとても気に入った部分は、Appenndixです。仕事の要求度や資源など、どういった要素がそれらにあてはまるのかが例示されているのです。テキトーに日本語訳してみましたので、興味があれば以下を参照してみてください。

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3. 読後の余談

Appenndixの日本語訳で疲れちゃったので割愛します。繰り返しになりますが、上記の日本語訳はテキトーなのでご注意ください。

4. 関係性の高い論文

Bakker, A. B., & Demerouti, E. (2017). Job demands–resources theory: Taking stock and looking forward. Journal of Occupational Health Psychology, 22(3), 273–285.

2022年2月4日 初稿作成

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