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【人事に効く論文】ワーク・エンゲイジメントには日々のリカバリーが重要 → Recovery, work engagement, and proactive behavior

日々のリカバリー(回復)とワーク・エンゲイジメントの関係について研究した論文です。

Sonnentag, S. (2003). Recovery, work engagement, and proactive behavior: a new look at the interface between nonwork and work. The Journal of Applied Psychology, 88(3), 518–528.

1. 30秒で分かる論文の概要

リカバリー、ワーク・エンゲイジメント、プロアクティブ行動について、147人の就労者から5日間連続でアンケート回答してもらったデータに基づく研究です。
そして、データ分析の結果、
①日々のリカバリーは、日々のワーク・エンゲイジメントに大きく寄与する
②日々のリカバリーは、日々のプロアクティブ行動に大きく寄与する
③日々のプロアクティブ行動に対する日々のリカバリーの影響は、日々のワーク・エンゲイジメントによって媒介される

という3つの仮説が支持されました。

2. 現場目線の解説/感想

ちゃんと日々リカバリーすれば、エンゲイジメントが保たれ、プロアクティブに行動できる、という当たり前っちゃ当たり前のことを、真面目にデータに基づいて検証した内容になっています。
ただ、この論文を読んでいて面白かったのは、上記の3つの仮説検証部分ではなく、Additional Analysesの内容です。
例えば、
● 時間的なプレッシャーは、日々の自発的行動を後押しする
● ストレスの多い仕事に直面している人は、日々のリカバリーに時間を要する
● 子供の数は、日々のリカバリーにネガティブな関連がある
といった感じです。どういった文脈でこれらが出てきたのか、気になる人は論文をあたってみてください。

3. 読後の余談

この論文では、序盤で仮説が3つ提示され、それらがすべてデータ分析の結果から支持されました。この論文に限らず、「我々の仮説は正しかった!」という感じのものが多いのですが、これって本当に仮説だったのかなぁ、後付けで仮説ってことにしたんじゃないのかなぁ、と思ってしまうのは、私の性格が悪いからでしょうか…。

4. 関係性の高い論文

2022年1月20日 初稿作成
2022年1月29日 タイトルを小変更

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