見出し画像

桜は自分が散るってわかってて咲くのか

福岡県の昔栄えて今レトロ、な街に住んでます。盆地だし、寒いです。こんな田舎町で、ひっそりと、シナリオライター(昼間は会社員)してます。
コネも伝手もなく、ひたすら、ネット上で営業しています。

シナリオライターの仕事も、いろんな種類があって、初めて書いたのはYoutubeの漫画動画のシナリオでした(その前に、シナリオセンターの動画原案のシナリオもあるんですが、お金を貰って書く=仕事と定義して)これは、プロットがあって、それを30pのシナリオに起こす仕事です。これについては、また、次回。今回は、今、まさに書いているシナリオの事。内容に触れることはできませんが、私の心の葛藤を書いてみます。

初の打ち合わせから、途中、2回目の打ち合わせを経て、1か月経ちました。一度もプロデューサーの笑顔を見てません。それまでの私は、シナリオライターなりはじめで、シナリオを書いてお金を貰ってという少しは自信のようなものがありましたが、それは、たまたま私の得意な分野のシナリオにはまっていただけ、だけ! なのです。

初の打ち合わせは、「好きに描いちゃってください」に終始してました。

話が来た時、話をくれた側は私のシナリオの能力は知らなかった、と思います。企画案の雑談的な所から始まったので。それでも、ちゃんと、最初から仕事のオファーとして声をかけていただきました。誠実な仕事人な方なんですね。もちろん、こちらは山に囲まれた街、あちらは東京の会社の方ですので、ネット上での打ち合わせの話です。

「好きに描いちゃってください」夢のような言葉だと思われる方もいるかも知れません。でも、これは、おそろしい言葉なのです。

小学生の図画の時間に、「好きな絵を書いていいよ」と言われて、いきなり書き出せる子は何人いるでしょうか? 普段から書いている子は、いきなり筆を持つことも出来ますが、絵になる前の線を書いて「あれ? 何書けばいいの?」となるんではないでしょうか? 書ける子もいます。もちろんいます。好きに書く、それはどういうことなのか。

私は、普段からずっとシナリオを書いています。窓から見える散歩している親子連れとかでも、柱を立ててワンシーン書く、とかやってます。好きなアニメも逆箱で、すぐにシナリオにして書いてみたりしてます。あてもなく書く、企画書やシナリオは、形式通りに書いていきます。何枚でも何十枚でも。ただこれは、自分だけの世界なんですね。だから、自分が正解なんです。いくらでも書けます。シナリオセンターで学べば、誰でも書けます。

今回は仕事なので、事前に企画書を渡されているんですが、まず、どの形式で書き出せばいいのか悩みます。これはプロットからかな、と判断してプロットで提出しました。すると、プロットは書くのが大変だろうから、3行ストーリーで提出してください、との事。これはすっごく納得しました。WSの脚本家の先生も同じことを言っていたので。

47本のログライン(3行ストーリー)を提出したのですが、プロデューサーは引いてたんじゃないかな? と思います。真実はわかりません、人の心の内はわからないので。おそらく、ですが、プロデューサーはとても優しい人です。どういうアプローチにしようか考えていたのだと思います。

私は、この時は知らなかった。シナリオライターの仕事は、プロデューサーやクライアントの期待する作品を作る仕事だということをです。

当たり前ですか? 当たり前の事だけど、ここから苦しくなっていきます。

物語を創作するのは、楽しいことです。これは本当に変わりなく、私の心に常にあります。

でも、自分の実力という壁にぶち当たって行くというのは、私にはほとんど初めての経験なのです。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?