平成の日本映画を10人の女優で振り返る(1)

長めの前置き

令和になってしまったけど、何か変わるんですかね。
よくわからないですね。

昔はブログとかもやっていたんですが、継続性の無さには自信があって、気楽なTwitterに寄生して、それなりの年月が経つわけですが、たまーに長い文章を書いてみたくなったりはするのです。そこで、最近よくnoteの記事が流れてくるので、試しに使ってみることにしました。
令和ですし、新しいことをはじめるにはぴったりでしょう。

とこれを書いているのは夢の令和元年GW10連休の最終日の夜。つまりとってもヤバイテンションで書いてます。このどうしようもない現実から全力で逃避したい。だから10連休なんて嫌だったんだよ。

記念すべき最初のネタは「平成日本映画を振り返る」にしました。GW10連休中にがっつり振り返ってやろうと思っていたけど、予想どおりやらなかったね。そもそも人生の大半を過ごした平成を振り返るとかスケールがデカすぎる。挫折を前提にした企画なんだよ。30年っていうのもね、長い、長すぎる。こういうネタで振り返れるのはせいぜい10年ぐらいだよ。

だって1989年(平成元年)に公開された主な日本映画って「魔女の宅急便」「その男、凶暴につき」「帝都大戦」とかですよ。
無理でしょ、これと「センセイ君主」混ぜて振り返るの。

あと、そもそも日本映画をリアタイ出来てるのがここ15年ぐらいなのです。それより前の作品はDVDとかで名の知れた作品しか観てない。やっぱりリアタイしてるかどうかって、公開された時の雰囲気とかもコミで自分の中に残ってる。「もののけ姫」を並んで、しかも立ち見で観たとかそういう感覚って、年を取ってきた今、しんみりと大事だな~って思うわけです。

ここまで辛抱強く読んでいるあなたもそろそろ気づいてきたと思いますが、これ多分長くなります。先にお断りしておきます。
いまそっとタイトルに「(1)」を足しました。

平成の日本映画を女優で振り返る?

ひと月ほど前に「新宿タイガー」を観ました

タイガーさんは新宿で映画を観てる人ならよく映画館で遭遇する有名人です。新聞配達をしながら、映画を趣味で観まくっている人で、仕事をしながら大量の映画を観まくるという意味では大先輩にあたります。

タイガーさんは映画の魅力の大きな要素として「女優」をあげていました。確かに女優なんです。もちろん男優も魅力的な人はたくさんいますが、僕も振り返るなら女優で振り返りたい。そう思いました。GW終わっちゃうこの陰鬱な時間を誤魔化すにはそれしかない。

というわけで女優で平成の日本映画を振り返るんですが、前置きに書いたとおり、平成の前半15年ぐらいはリアタイしてないのでわからんというのと、これは平成の日本映画史として重要なことですが、ある時期を境に平成の日本映画は大きく変容しています。その時期は2003年~2004年です。ちょうど15年ぐらい前なんですね。

この時期以降、日本映画の公開本数は増えに増え、2004年に310本だった公開本数は2018年にはなんと613本にまで増えてます。倍だよ、倍。最近年に200本も観てしまうのは僕のせいじゃないんですよ。倍作られるから倍観ちゃうの。

そんなわけで、今回はこの日本映画に大きな変化をもたらした2003年ぐらい以降の15年ぐらいを女優を軸に振り返るというテーマでやっていきます。

まあ際限なく選ぶわけにも行かないので、とりあえず10人にしてみました。これを書いてる時点で10人を誰にするか決まってないという荒ぶりようなので、書き終える頃にホントに10人になっているのかはわかりませんし、そもそも10人書けてる未来も思い浮かばないんですが、1人目にあげる女優はすぐに決まりました。
この平成の日本映画に変化を起こした映画の中心にいた人しかいないだろうなと。

「世界の中心で、愛をさげぶ」(2004年公開)のヒロイン。
5代目東宝シンデレラ、長澤まさみさんです。

今日の日本映画がビジネスとして大きくなっているのは「世界の中心で、愛をさけぶ」の大ヒットが大きく影響してる。正確に言えば、この前年、2003年に公開された塩田明彦監督の「黄泉がえり」のスマッシュヒットが事の発端で、これにより東宝がテレビドラマ⇒映画化ではない映画ビジネス、いわゆるメディアミックス戦略な映画はいける!いけるぜ!と走り出し、所謂”泣ける映画”が量産され始めることに。ちなみにこの「黄泉がえり」にも長澤まさみさんは出演してます。

※黄泉がえりの予告がなかったんで「月のしずく」
 わりとネタバレしてるので観てない人は再生しないでください

”泣ける映画”はまだまだ多く作られており、その多くへの映画ファンの風当たりは強いし、僕もちょいちょいそれらに暴言を吐いてますけど、今の日本映画ビジネスが良くも悪くもここまで成長したことは、セカチューなくしては語れないんですよね。つまり長澤まさみさんがいなければ、今の日本映画はなかったわけですよ。

1人目 長澤まさみさん

やっと1人目になったわけですが、ここで今回のやり方を突然説明しますが、女優さん1人につき、もし1本だけ観るなら・・・という観点で映画をピックアップします。

長澤まさみさんの出演作から今回チョイスしたのは「ロボコン」です。

長澤まさみさんのキャリアは「クロスファイア」(2000年公開)で始まり、直近だと「キングダム」(2019年公開)まであり、既に40本近くの映画に出演してます。この年代の女優のなかではかなりの本数の多さです。

一応そのうち30本ぐらいは観ていて、その中で今回チョイスしたのは「ロボコン」です。小栗旬さん、伊藤淳史さん、塚本高史さんという今となってはかなりの豪華キャストで作られている青春映画です。

この映画を選んだ理由は、20年近く長澤まさみさんが一線で活躍してきた要素がこの映画に詰まっているから。もう衝撃のファーストシーンから長澤まさみさんの素材の凄さがわかる。もうそこだけでも観てほしいぐらいのインパクトがある。実際に行定勲監督はこの映画を観てセカチューへのオファーを決めたらしいし、その意味でもこの映画こそが、平成映画史を変えた映画なんじゃないかとも思うわけです。

※トークショーでロボコンの試写を観て、長澤まさみさんをキャスティングしようと思ったと語る行定監督。ロボコンでダメな子を演じていたが、会ってみたらもっとダメな奴だったと失礼なことを言っていますw

この映画の中で最も印象に残っているのが、途中で長澤まさみさんがトラックの荷台で山口百恵さんの「夢先案内人」を口ずさむシーン。長澤さんがトラックの荷台で風に吹かれながら気持ちよさそうに「夢先案内人」を歌ってる姿がこの青春映画の瑞々しさを完璧にしてくれてるんですよ。しかも「夢先案内人」の歌詞を無意識に間違って歌ってて、そうした偶然性も含めて、奇跡が起こってる感が凄い。
ちなみにこの映画は青春映画としても、理系の青春という少し変化球の中で、王道の青春を見せてくれるし、ロボコンという題材もきっちり作り込まれていて、ロボコン好きとしてはロボコン愛もしっかりと表現できていて好きです。
意外と観てない人もいるでしょうが、まだレンタルとかでも借りられるはず。長澤まさみ映画の原点は絶対に「ロボコン」です。いいから観ろ!

※ロボコンから約10年後「若者たち2014」でさらりとリサ・ローブの「Stay (I Missed You)」を歌う長澤さん

ロボコンで魅せてくれたのは、かわいさであり、瑞々しさであり、力強さでありと色々多面的な魅力を含んでいたのですが、セカチューがあまりにもヒットしすぎた結果、このあとしばらくは清純派としての看板を背負うことになります。
タッチ、ラフなどのあだち充原作に出たり、泣ける系映画のヒロインとして出演がしばらくの間続くことになり、他の魅力を捉えた作品は数年の間はありませんでした。

それを変えてくれたのが「モテキ(2011年公開)」っていうのが一般的な見解だと思うんですけど、僕はそこまでこの映画が好きじゃないので、第2期長澤まさみのスタートとしては「奇跡(2011年公開)」を推したいです。その後は「WOOD JOB!」や「アイアムアヒーロー」など、not清純派路線で、良い作品にたくさん出ています。

オススメしたい長澤まさみさん出演映画

●ロボコン(2003)
 原点
●世界の中心で、愛をさけぶ(2004)
 平成振り返るなら観ておいて損はないかと
●深呼吸の必要(2004)
 初期作で暗い役柄なのが珍しく、貴重
●モテキ(2011)
 清純派へのカウンターとしてのモテキ 
●WOOD JOB! 〜神去なあなあ日常〜(2014)
 映画としても面白いし、ロボコンで観た憂鬱な長澤まさみが帰ってきた
●海街diary(2015)
 綾瀬はるか、長澤まさみにはやっぱ良い映画に出てほしい・・・
●アイアムアヒーロー(2016)
 国産ゾンビ映画の在り方を変えた一本であり、戦う長澤まさみが観られる
●散歩する侵略者(2017)
 予兆の方が好きですけど、これも好き

映画としては今ひとつながら思い出深いのが「ラフ(2006)」で、公開日にシャンテシネ(今のTOHOシネマズシャンテ)で舞台挨拶付きで観たんだけど、「こんなプロポーションの人間いるんだな」と驚いたのを覚えてる。職業柄?舞台挨拶を観ることはかなりあるのだけど、後にも先にも実物を見て圧倒されたのは、この時が一番だったなあ。映画本編でもグラビアでもトップクラスの実績を持つ市川由衣をも圧倒するプロポーションを見せつけており、アイドル長澤まさみとしての実力はこの映画にも詰まっている。



次回以降はもっと短く、さくさくした内容にしたいけど、たぶん書かないだろなあ。GW10連休終了レベルの憂鬱じゃないと。普段ブログちゃんとやってる人には尊敬の念しかないわ。
第2回があれば、まあその時に。あと9人、誰にしようかな・・・

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?