見出し画像

AIファッションデザインコンペで3/1900の優秀作品に選出されるまでにやったこと

先日、「TOKYO AI Fashion Week - 2024 A/W Contest」というAIファッションデザインコンペで優秀賞をいただきました。

私が応募した作品はこちらです。

応募総数が約1900あったそうですが、優秀な3作品の内の1作品として選出していただきました。
今回応募した作品がどのようにして制作されたかについてこちらの記事で紹介していきます。

コンテストの概要

株式会社OpenFashionが主催するコンペです。
生成AIによって生成されたコレクション画像が下記の観点に基づき審査されます。

  • ファッション性と統合された表現

  • 創造性とオリジナリティ

  • 視覚的魅力と表現

  • イノベーションと影響力

コンセプトの選定

コンセプトを選定にあたり意識したことは下記4つの観点です。

見た目のインパクト

審査員は数多くの作品を見ることを予想し、他の作品群の中に埋もれないインパクトがあること

生成AIだからこそできる表現

コンテストの趣旨に合わせて現実では見たことがないコレクションになること

分かりやすさ

統一感を重視し、一目でコンセプトがわかること

多様な表現

統一感を持たせつつも多様な表現が可能なこと

上記を踏まえ考え抜いた結果、人間ではなく多種多様な動物に服を着てもらったら面白いのではないかというアイデアに行き着きました。

画像生成AIモデルの選定

作品提出時点(2024/3)で最高のクオリティの画像を生成できるであろうMidjourneyを選びました。

https://www.midjourney.com

画像生成

Midjourneyの設定

デフォルトのバージョンが5だったので最新モデルのバージョン6を使うように設定しました(現在デフォルトがバージョン6なので設定不要)
Stylizeはプロンプトに忠実に画像生成させたかったためlowに設定しています。

discord上 /settings コマンド実行で設定が可能

ChatGPTを使ったプロンプトの生成

画像生成用のプロンプトの生成はChatGPT(GPT-4)を使って生成しました。

ChatGPTで画像生成用のプロンプトを生成

基本的にはこの出力結果をそのままプロンプトとして入力することで画像生成を行いました。
もし想定通りの画像が出力されない場合は、再度プロンプトを生成させ画像生成をさせるという作業を繰り返しました。

画像の比率調整

--ar 9:16をプロンプトの最後に含めることで9:16の縦長の画像を生成しました。

画像の一部修正

生成画像の一部だけ気に入らなかった場合はVary(Region)の機能を使い修正を実施しました。

Vary(Region)ボタンの場所

例えばこのフラミンゴの画像。
衣装が気に入らなかったのでVary(Region)で範囲指定をして衣装を変えた画像を生成します。

Vary(Region)適用前

衣装が理想通りのものに変わりました。

Vary(Region)適用後

感想

自分の頭の中のアイデアをハイクオリティで具現化する作業がとても簡単にできる時代になりました。
1, 2年前までは考えられなかった状況なので驚愕です…
一方で抽象度の高い部分である面白いアイデアの創出キュレーションスキルは個々の人間に依存していると感じました。
今後も我々人間は様々なものに触れたり、経験をすることでそれらの感覚を培っていくことは大事なのかなと思っています。

最後に、個人的な活動として今年から服のパターンを学びに週1回スクールに通い始めたり、職業用ミシンを購入したりということを始めました。
パターンは何も知らないですし、学生時代の家庭科の授業以来10数年ミシンを触っていない現状ですが、生成AIで生成したデザインを実物として具現化することを目標としています。

生成AIで可能性が増えた時代。皆で楽しんでいきましょう!





この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?