父のこと

今日の夕方、話の流れで弟が
「そういえばお父さんって癌ステージ何だったんだろう」
思い出したように聞いてきた。

確かに最近は現実から目を逸したくてお父さんの病気の事あんまり詳しくは聞いてなかった。
週に何回かは、時間が空いたらできるだけお父さんに電話をしてるけど、
今日は何食べたの？体調どう？
っていうようなたわいもない話しかしてなくて、
私と電話をするだけでちょっと体調がマシになると父は喜んでくれて、元気な声を聞かせてくれていたけど、それに甘えて、その言葉を全部信じるようにしてた。

でも、なんとなくわかってた。
前までは毎日外出できていたのに今日は1日中家で寝てたとか、食欲があるけど量はそんなに食べられなくなってきたとか、LINEをしてもすぐに返信が来なかったりとか、電話の声も前より元気がないなぁって、
前と状況は変わってるって気づいてたけど、でもお父さんはいつも全然平気みたいな雰囲気で、毎日楽しそうに生きてるから回復傾向なんだろうなーと。

まぁ実際に回復傾向かそうでは無いのかまだわからないけど、今日弟が教えてくれたのはお父さんはステージ4だったと言うこと。

怖くて調べられなかった。でも調べてみると、
「余命」「生存率」
見たくない言葉がたくさん並んでいて、いろんな人のブログや記事があった。
どれを開いても手術はできない状態にある、みたいな内容ばかりだった。いわゆる末期ってやつだった。

なんでもっと早く聞いておかなかったんだろう、お父さんは自分から言わないっていうのわかってるのに。
何しててんだ自分はって幻滅した…

去年の4月、父が癌と知らされたのは母からだった。
父と母はもともと仲が良くなくて一緒に住んでないから、父は今も1人で病院に通っていて1人で自宅治療をしていることも知ってた。今まで私が一回でも一緒に病院に行こうと思った事はあっただろうか。

母伝えでしか検査の結果や入院の日程等聞いてこなかったけど、父も母も私を心配させないために大丈夫って嘘ついてただけなのかもって今改めて考えると思う。
1年前の胃がんだと分かったときに父は手術をして胃を全摘してる。
だからもう癌はない、回復してると勝手に思ってた。

今日1日父からLINEが返ってこなかったから、本当の事はまだ話はできてないけど、今すぐに大阪に帰るべきかすごく迷う。
恐らくすぐに帰ったほうがいいって言う事はもうわかってる。大阪に帰った後の生活のことを考えるとなかなか一方踏み出せない。
今私自身もこれからどうすればいいのかすごく迷ってる時期で、自分はどこにいて何ができるのか何がしたいのか全然わからなくて、むしろ何もしたくなくてどこにもいたくない。
だからチャンスかもしれない。今しか大阪に帰れないかもしれない。

そんなことを考えていると今日1日すごく不安で、早く動かなきゃって正直めちゃくちゃ焦った。
今自分がここにいることさえも時間がもったいないんじゃないかって気がしてきた。

自分の気持ちを話す人もいないし、相談できる人もいないし、けど自分自身で決断する力もなくてとりあえずこうやって文章にまとめて思ってる気持ちを全部吐き出してみた。今日は一旦寝ることにします。