日記35:劇場(2019/11/03)
劇場から出るときの、疲労と充実で満たされた心身の乖離状態が好きだ。
劇場から出たときのとっぷり暮れた夜と、徐々に戻ってくる現実感と、劇場に置いてきたままの心をじんわりと温めておく帰り道が好きだ。
虫あるいは蛙などの鳴く声を感じながら、あるいは電車に詰め込まれ揺られながら、さっきまで自分がいた空間、あるいは立っていた場所の熱量を取り戻す。
背中の温度。照明の温度。芝居の温度。舞台の全ての温度を取り戻す。繰り返し繰り返し体感する。そうすれば、私の中で舞台は永遠に続く。
劇場から